MVNOの利用率が順調に高まっている。MMD研究所の2016年格安SIM市場調査によると、いわゆる格安SIMと呼ばれるMVNOのSIM利用者は、市場全体のシェアで11.8%を占めるまでに至っている。

こうした動きに合わせて端末のシェアも大きく動いており、いわゆるSIMフリー端末が人気を集めてきている。今回はそうしたSIMフリー端末の中から、FREETELが2016年12月に発売した「FREETEL KIWAMI 2」を試用する機会を得たので、その使用感をレビューしたい。

ストレートを基調にしたシンプルなデザイン。形状的には「極」よりも同社の「麗(Rei)」の後継モデルといった感が強い。iPhoneのように指紋認証も兼ねたFREETELボタンの存在が特徴的

FREETELのハイエンド端末

FREETELはMVNOの中でも、ユニークな料金コースやキャンペーンをかなり積極的に展開してくる事業者だ。特徴的なのは料金コースだけでなく、自社でSIMフリー端末を企画・販売している点にある。SIMフリー端末というとASUSのZenFoneシリーズやファーウェイなどの端末をMVNOが販売しているケースが大半だが、FREETELはオリジナル端末を出している数少ないMVNOのひとつだ。

以前は「Priori」シリーズに代表される、ローエンド向けの端末が中心のラインナップだったが、昨年からミドルレンジ~ハイエンド価格帯の端末にも注力しており、今回紹介する「KIWAMI 2」はその名が示す通り、同社のラインナップではフラッグシップモデルとなる。販売価格は直売サイトの場合、49,800円(税別)だ。

フラッグシップモデルらしく、背面はメタルケースでしっかりとした作り。前モデル「KIWAMI」から比べると、ディスプレイサイズが0.3インチ小さくなり、それに伴って本体サイズも高さで2.3mm、幅は5.4mm、厚さも1.7mm小さくなった。他社の製品と比べると、ほぼiPhone 6/7 Plusと同等のサイズだ。シンプルな直線で構成されたボディーはサイズのわりに持ちやすいが、十分大型な端末であり、ほとんどの人は片手で操作ではなく両手操作になるだろう。

本体右側に音量調整と電源、左側にSIMスロットが用意されている。SIMスロットはDSDS対応だがmicroSD対応がなくなった

背面は右上にカメラがある以外、ほぼフラットな形状。ゲームなどでテーブルに本体を置いて操作したい場合でもほとんどガタつきなく操作できるのは○

ディスプレイの解像度はWQHD(2,560×1,440ドット)であり、非常に高精細だ。「極」がIPSパネルだったのに対し、「KIWAMI 2」ではいわゆる有機ELパネル(スーパーAMOLED)に変更されている。本体重量も小型化に伴って約14g軽量化している。視野角も広く見やすいディスプレイだが、テストした端末では個体差もあるのか、若干赤が強く表示されているように感じられた。

その他の細かい変更点はたくさんあるが、性能に影響する点だけを箇条書きにすると、次のようになる。