視点2:通年で間もなく第2位のカテゴリとなるサービス分野

2017年のアップルに筆者が最も注目しているのは、「サービス」と呼ばれるカテゴリーだ。これには会員数が2000万人を超えたApple Music、iCloud追加ストレージ、App Storeの課金売上手数料、Apple Payの手数料が含まれる。大ヒットゲームPokemon Goや、12月15日に配信開始となったSuper Mario Runの課金売上は、このサービスカテゴリに計上される。

注目されるサービスカテゴリーはApple MusicやiCloud追加ストレージなどが該当

2016年第2四半期決算で、このサービス分野は初めて、iPhoneに次ぐ2番目の売上規模へと拡大したのだ。しかも、前年同期比で20%近い成長を続けており、2017年中に、通年を通じた売上第2位のカテゴリになることは確実だ。

2017年の四半期決算で、iPad、Macの売上を合計した金額を上回ってくることも考えられる。それはさすがにiPadとMacが低調すぎる見積もりかもしれないが……。

iPad/Mac/サービスの売上推移。すでにサービスがiPad/Macを上回っていることがわかる(図表:アップル決算資料をもとに編集部で作成)

このサービスカテゴリは、基本的には、年間2億台を販売するiPhoneを購入した人々が、日々iPhoneを使う上で利用するサービスや購入するアプリからの売り上げということになる。iPhoneの販売台数の成長に限界が訪れたり、前述のように買い換え周期の長期化がトレンドになる環境変化において、サービスカテゴリの成長は重要性を増している。

アップルは年に1度のハードウェア刷新を基本としたサイクルを築いてきたが、サービスカテゴリを刺激するのはアプリやコンテンツであり、より細かいペースでの提案を行うことができる。例えばポケモンやマリオといった人気ゲームタイトルは既に、2016年中に2度リリースされており、こうしたペースを早めることも可能だろう。

また、米国で導入された「TV」アプリは、サービス分野の収入をリビングルームに拡大することも考えられる。ストリーミングやケーブルチャンネルは多くの場合、Apple Musicのような購読制を取っており、ゲームのように単発ではない継続的な収入を手にできる分野だ。