最後に登壇したオートモーティブ担当上級副社長兼GMのパトリック・リトル氏 (Patrick Little, SVP & GM, Automotive) は、前例のない自動車産業の転換を成功させるためには、下記の3点が重要になると説明した。
- 接続性
- 電化
- 自動運転
また、新しいスタイルの自動車が経済に与える影響は大きく、1年間に1兆ドルもの経済的損失を減らすポテンシャルがあるという。
まず、接続性について、リトル氏は車がネットワークに接続されるとともに、さまざまなセンサーの情報が活かせるようになれば、渋滞緩和や公害の削減、そして死亡事故ゼロを実現可能だと説明。とくに、ギガビットクラスの接続性をもたらすSnapdragon X16 LTEモデムを利用すれば、より多くのデータを活用できるようになるとした。たとえば、同社の車載用SoCに搭載されているWiFiやBluetooth、GNSS (全地球航法衛星システム) や、オプションのDSRC、Cellular-V2Xを利用することで、車輌間の近接通信や位置を特定した精度の高い情報共有が広範に適用できるようになるとビジョンを示した。
Qualcommはこれらの通信インフラを実現するコネクテッドカー向けリファレンスプラットフォームを発表し、2017年年前半より主要メーカーへの供給を開始する。
また、エンターテインメントなどの車内体験は、AndroidやQNX、車載用Linuxなどの普及により、より豊かなバリエーションが得られようになっている。そこで、最新の車載向けビジネスのアップデートとして、リトル氏はフォルクスワーゲンAG社の次世代車輌「インフォテイメント」に同社のSnapdragon 820AとSnapdragon X12 および X15 LTEモデムが採用されるとアナウンスした。
同社はCES期間中に、さらに多くのソリューションやパートナー製品を公開する予定だ。1月6日のキーノートには同社CEOのスティーブ・モレンコフ氏が登場することから、期間中のさらなるアナウンスも期待される。