さらにカメラモジュールの機能をチェック ‐ さまざまな撮影モードやRAW現像も
カメラモジュールを装着すると「スポーツ」モードなるものも使える。このモードだとシャッタースピードが速くなり、連写ができるようだが、おせじにも連射速度は速いとはいえない。シャッタースピードを速めたいときに切り替えるといいだろう。
画面をタップすると、その場所にフォーカスが合って、明るさもその場所を基準に測光される。さらにフォーカスポイントの周辺をなぞることで任意に露出補正も可能だ。
シャッタースピードやホワイトバランス、ISO感度を自分で設定できるプロフェッショナルモードもあるので、夜景などを撮るときは三脚と合わせて活用したい。
一応、「夜景」モードもあるので、こちらでも良い。注目は「RAW」が撮れること。後からRAW現像することで画質を劣化させず思い通りの写真に編集できる。
日中の撮影ではカメラモジュールがその実力を見せつけてくれたが、暗所の撮影はどうだろう。
実はカメラモジュールには1つ懸念点もある。それはF値が大きいということ。F値とはレンズの明るさを示す指標で、数字が小さい方が明るく、光をたくさん取り込めるため写真にノイズが乗りにくくなる利点がある。光が十分になる日中の屋外ではわからないが、夜や屋内になると影響が出てくるのだ。
一般的にズームレンズよりもズームできない単焦点レンズの方がF値は小さい(明るい)。Moto Zも例外ではなく、実は標準カメラの方がカメラモジュールのレンズよりもはるかに明るいレンズを搭載しているのだ。
もしかすると標準カメラの方が画質が良くなる可能性があるのか? 実際に比較してみよう。
うっかり標準カメラのアスペクト比が16:9になってしまったが、どうだろうか。何も調整せず、どちらもオートの広角端で撮ったものである。カメラモジュールの方がF値の分、1段ほどISO感度が上がっており、ISO1000前後。標準カメラはISO500となっている。
ノイズに関してはこの程度なら意外とカメラモジュールも検討している印象で、それほど問題はなさそう。むしろ両者の絵作りの違いが顕著に出ているという印象だ。
標準カメラはHDRに加えてシャッタースピードを1/14秒や1/20秒に落として撮影しているため写真が明るい。対してカメラモジュールの方はシャッタースピード1/30秒をキープしようとする傾向があるようだ。もしかすると標準カメラの方が手ぶれ補正の効果が高いのかもしれない。風景を撮っていたときも感じたが、どうもオートの場合、標準カメラは明るめに写す傾向がある。
暗所だとやはりF値の違いからカメラモジュールの方がISO感度が上がってしまうが、とはいえイメージセンサーに余裕があるのか、それほどノイズに違いは出なかった。ISO3200とかになるとさすがに画質が落ちすぎて使いものにならなくなるが、そうなると結局標準カメラの方もISO感度が上がってしまう。
明らかに日中ほどの違いはなくなるが、暗所だからといって標準カメラに分があるというわけでもなさそうだ。しいて言えば、どちらも暗所には弱いし、これはもうスマートフォンである以上、仕方がない。
なお、カメラモジュールはズームさせればさせるほどさらにF値が大きくなり、10倍ズームまでいくとF6.5に達する。結果的にISO感度も上がってしまうので、暗所での望遠撮影はかなり厳しいといえる。
10倍ズームは便利だし、画質も標準カメラよりは上だが、それでもコンパクトデジカメレベルなので過剰な期待は禁物である。