米国では、すでにスマートフォン向けのプランのほとんどで、通話料は従量制から無制限(Unlimited)へと移行済みであることから、わざわざLINEやFacebookの音声通話を利用する意味合いは薄い。その点で、前述の通話アプリのオープン化の恩恵は、一般消費者にとっては、日本の方がインパクトが大きいと考えている。

米国では電話番号での通話とText(SMS)が、依然として重要かつユニバーサルな連絡手段、IDとして存在している。非常に多くの人がFacebookアカウントを持っているが、ビジネス上であった人との日常的なコミュニケーションには使われていない。そしてLinkedInには通話機能がない。結果的に、電話番号を必ず交換して、通話やTextをコミュニケーションの柱にすえている。電話番号なら、あのアプリを入れているかどうか、アカウントがあるかどうか、と言った心配をする必要がないからだ。

Appleは、同社のメッセージサービスiMessageとビデオ通話サービスFaceTimeに、iPhoneに割り当てられている電話番号を使用している。もちろんApple IDに利用しているメールアドレスもIDとなるが、そのIDでログインしているデバイスの電話番号を自動的にピックアップして、iMessageやFaceTimeの送受信を可能にする仕組みだ。

メッセージアプリはTextとiMessageを兼ねており、電話番号でTextを送ろうとした際、もし相手がiMessageに対応して入れば、自動的にiMessageとして送信する。そのため、iPhone同士であれば、Text送受信料をカットでき、また暗号化されたメッセージを交わすことができる。もっとも、Textも通話同様に無制限化されているため、1つ目のメリットは失われてしまっているが。