iPhone 7・iPhone 7 Plusの発表では、引き続き、カメラがスマートフォンの顔となる機能であることを印象づけた。
メインとなる背面カメラの前に、内側のFaceTime HDカメラについて触れると、iPhone 6s、iPad Pro、iPhone SEと、FaceTime HDカメラと組み合わせる画面全体をフラッシュとして利用するRetina Flashを引き続きサポートする機能性はそのままに、センサーを700万画素に引き上げ、より高解像度のセルフィー撮影をサポートした。
1,200万画素のセンサーに28mm/f1.8という非常に明るい広角寄りのレンズを採用している。撮影速度と発色にこだわっており、フラッシュも50%明るい4つのLEDを採用したTrueToneフラッシュに変更された |
メインのカメラは、iPhone 7とiPhone 7 Plusで異なる。
いずれも1,200万画素と画素数はiPhone 6sシリーズから据え置かれているが、4.7インチモデルのiPhone 7には新たに光学式手ぶれ補正が加わった。また、f2.2よりも明るい、f1.8を実現する6群レンズと、より高速に動作するセンサーにより、瞬間を切り取る能力と、美しいボケ、そして暗いシーンでの表現力を向上させている。
5.5インチモデルのiPhone 7 Plusには、iPhone 7と共通の28mm/f1.8の1200万画素のカメラに加えて、倍率の違うレンズを搭載する1,200万画素カメラを搭載し、デュアルカメラとした。写真やビデオの撮影中に、ワンタップで2倍ズームの写真を撮影できるほか、これまで静止画で5倍までだったデジタルズームは、10倍までをサポートする。
AppleがiPhone 7シリーズにおいて強調しているのは、より強力な色再現だ。
Appleは2015年モデル以降のiMacやiPad Proで、ワイドカラーを表示できるRetinaディスプレイの搭載を進めてきた。iMacのRetina 4Kディスプレイモデルでは、映画業界で標準的な、sRGBよりも多くの色を表現できるP3をサポートしているが、今回iPhoneがワイドカラー対応のRetinaディスプレイ搭載デバイスに加わった。
こうしたディスプレイに組み合わせるカメラは、当然、広い色域で記録できるべきであり、iPhone 7のカメラでは、より多くの色を記録し、手元のディスプレイで再現できる環境を整えることになった。
しかし、古いiPhoneやMac、あるいはWindowsやAndroidといったデバイスでは、必ずしもP3をサポートする環境であるとは限らない。そこで、カラーマネジメントをiOSにも採用し、広い色域を再現できないデバイスでどのように表示されるかも意識したコンテンツ作りをiPhone向けのアプリで行えるようになった。
スペシャルイベントのプレゼンテーションではInstagramが、P3対応と通常のsRGBをスワイプして切り替えて色再現を確認する仕組みの搭載をアナウンスしていた。