管理職に差し掛かる年齢が一番少ない

平成28年度版 男女共同参画白書。日本の女性の労働力をみると、25歳~29歳がピークで30歳~34歳でがくんと減少している

女性の労働人口は昔からM字を描くと言われている。働き盛りの30代くらいに結婚・出産で仕事を辞める人が増えるためだが、そのM字は女性の社会進出を促す社会全体の取り組みから、へこみが少なくなってきた。

一方で、へこんでいる事実は事実としてある。政府は女性の管理職30%を掲げているが、この管理職へと差し掛かる年代というのが、まさにこのへこみ部分の30代にあたるので、管理職候補に、と期待をかけられるキャリア女性の存在は貴重になってくる。

女性の管理職候補の採用が増加

「中途採用状況:年代別入社決定数の推移『女性の意識・雇用関連データとパソナキャリアの女性活躍支援関連の取組み』」

転職支援サービスを手がけるパソナキャリアカンパニー(以下、パソナキャリア)の中途の採用決定数を男女で比較すると、24歳までの入社決定数の増加率は男性が女性を上回っているものの、25歳以上の年代においては女性の増加率が男性を上回っていることが分かる。

「中途採用状況:年収別入社決定数の推移『女性の意識・雇用関連データとパソナキャリアの女性活躍支援関連の取組み』」

さらに年収別でみると、最も高額な700万円以上の増加率が他と比べて格段に増えていることがわかる。これは、女性の管理職候補を意識的に採用している結果とみていいだろう。

一方で採用しさえすればいいというものでもない。女性を採用した後の課題は尽きないのだ。パソナキャリアの調査でもそれは明らかだ。育児などと仕事の両立について課題意識を持っているとの回答が最も多い状況が続いているものの、男性女性両方の意識改革といったところが前年から大きな伸びを見せている。