「2020年までに女性の管理職を30%に」という目標を掲げる政府、それを追い風に高まる社会的機運から、女性の管理職候補を増やそうとする企業が増加している。しかし、管理職候補となる女性はどこにでもいるわけではない。だから今、この層をターゲットとした人材市場は活況だ。
行動計画の提出率 98%
女性の職業生活における活躍を推進することを目的に4月に施行された女性活躍推進法では、従業員数301人以上の企業に対し義務を課している。(300人以下の企業については努力義務)女性の採用数や、勤続年数の男女差などといった「女性の活躍に関する状況の把握、改善すべき事情についての分析」。上記を踏まえた「事業主行動計画の策定と公表」などだ。対象となる大企業は、全国で1万5477社。そのうち、7月31日時点で1万5200、98.2%の企業が行動計画を提出している。施行直後には、約7割だったが、4カ月でほぼすべての企業が提出にこぎつけた。各企業の女性活躍への意識の高さがうかがえる。
まずは係長職を増やす必要性がみえてくる
これらのデータは社内に向けて公表されるほか、厚生労働省が運営する「女性の活躍推進企業データーベース」で公開される。大和総研がこのデータを分析し、公表した。
それによると、採用人数に占める女性労働者の割合と、労働者に占める女性労働者の割合は、企業が大きくなるほど低下する傾向にある。つまり、大企業ほど男性中心の職場で、女性活躍が遅れているということ。一方、役職に就いている女性の割合は、いずれの項目においても、「300人以下」の企業の割合が最も高くなっており、企業規模が大きいと低くなっている。しかしながら、全体的にみて、女性の評価や登用の状況が十分とはいえない。女性管理職を増やすためには、まず係長職を増やしていく必要があると指摘している。
大企業、中小企業共に女性の管理職登用が大きな課題となっていることがわかる。