薄型モデルでもハイパフォーマンス
今回試したRazer Blade Stealth WQHD(256GB)モデルは、CPUにIntel Core i7-6500U(2.5GHz/最大3.1GHz)、グラフィックスにCPU内蔵のIntel HD Graphics 520を採用している。また、メモリは8GB(LPDDR3-1866)、ストレージは256GBのSSD(PCIe M.2)を搭載する。Ultrabookとしては高めの性能だが、いったいどのくらいのパフォーマンスなのだろうか?
そこで、いくつかのベンチマークを実行してパフォーマンスを測ってみることにした。まず、Windows 10のシステム評価ツール「WinSAT.exe」では、次のような結果になった。全体的に高いスコアだが、その中でも特にディスクの速さが際立っている。
WinSAT.exeの結果 | |
プロセッサ | 7.5 |
---|---|
メモリ | 7.5 |
グラフィックス | 5.8 |
ディスク | 8.95 |
続いてPCの総合的なパフォーマンスを見るPCMARK 8 HOME ACCELERATED では、下図のようになった。
さらに「CINEBENCH R15」を試したところ、OpenGLが41.95fps、CPUが304cbとなった。2コア4スレッドのUシリーズのCore i7であることや、ディスクリート・グラフィックスではなくCPU内蔵GPUであることを考慮すると、いずれのベンチマークもなかなか高めのスコアだと言える。
次に「CrystalDiskMark」でストレージ性能を計測してみたところ図のようになった。シーケンシャルリードで1,600MB/s近く出ており、非常に高速だ。実際、OSの起動やアプリの立ち上がりなどがとても早く、何をするにも快適だった。
本機は外付けグラフィックスボックス「Razer Core」(日本では未発売)を接続することで、デスクトップ向けグラフィックスカードのパフォーマンスを利用できるが、単体でのグラフィックス性能も気になるところ。そこで、まず3DMARKも試してみたところ、ミドルレンジPC向けの「SKY DIVER」が3715という結果になった。
さらに、ゲーム系のベンチマークテストもいくつか実施してみた。まず、ドラゴンクエストX ベンチマークソフトでは次の結果になった。
ドラゴンクエストX ベンチマークソフト スコア | |||
グラフィックス設定 | 解像度 | スコア | 評価 |
---|---|---|---|
低品質 | 1280x720 | 9301 | とても快適 |
標準品質 | 1280x720 | 7984 | とても快適 |
最高品質 | 1280x720 | 6731 | 快適 |
低品質 | 1920x1080 | 5904 | 快適 |
標準品質 | 1920x1080 | 4983 | 普通 |
最高品質 | 1920x1080 | 3365 | 普通 |
続いて、「ファイナルファンタジー XIV 新生エオルゼア キャラクター編」では次の通りになった。
ファイナルファンタジー XIV 新生エオルゼア キャラクター編 スコア | |||
グラフィックス設定 | 解像度 | スコア | 評価 |
---|---|---|---|
標準品質(ノートPC) | 1280x720 | 5768 | とても快適 |
高品質(ノートPC) | 1280x720 | 3551 | 快適 |
最高品質 | 1280x720 | 2657 | やや快適 |
標準品質(ノートPC) | 1920x1080 | 3144 | やや快適 |
高品質(ノートPC) | 1920x1080 | 1952 | 設定変更を推奨 |
最高品質 | 1920x1080 | 1414 | 設定変更が必要 |
さらに、「ファイナルファンタジー XIV 蒼天のイシュガルド」を「DirectX 11」に設定して実施してみた。
ファイナルファンタジー XIV 蒼天のイシュガルド スコア | |||
グラフィックス設定 | 解像度 | スコア | 評価 |
---|---|---|---|
標準品質(ノートPC) | 1280x720 | 3632 | 快適 |
高品質(ノートPC) | 1280x720 | 2533 | やや快適 |
最高品質 | 1280x720 | 1838 | 設定変更を推奨 |
標準品質(ノートPC) | 1920x1080 | 1945 | 設定変更を推奨 |
高品質(ノートPC) | 1920x1080 | 1313 | 設定変更が必要 |
最高品質 | 1920x1080 | 955 | 動作困難 |
結果を見ると、フルHDで高品質だと少々動作が厳しくなるものの、品質を落とせばそこそこ快適に遊べることがわかる。内蔵GPUでこれだけのパフォーマンスが出るのなら、ディスクリートGPUを省いて機動性を高めたのも納得できる。
通常はスタイリッシュなモバイルノートとして使用し、自宅では「Razer Core」につないで本格的なゲーミングPCとして使ってほしいというのがメーカーの考えなのだろう。それだけに「Razer Core」を早く国内でも展開してほしいところだ。
さて、性能面は確認できたが、モバイルノートにとって重要な要素の一つ、バッテリー駆動時間も気になってくる。メーカー公称値では約8時間となっているが、実際のところはどうなのだろう?
そこでバッテリーベンチマークソフト「BBench」を使って計測してみたところ、電源プラン「省電力」、画面の明るさ「40%」に設定した場合、5時間54分の駆動が可能だった(なお、BBenchは「60秒間隔でのWeb巡回」と「10秒間隔でのキーストローク」をオンにし、満充電状態から電源が落ちるまでの時間を計っている)。Web閲覧やメール作成、文書作成などの比較的軽めの作業が中心であれば、5~6時間は持つと考えて良さそうだ。