高精細かつ広色域の液晶ディスプレイ
本機の特徴の1つが、その高精細な液晶ディスプレイ。前述の通り、サイズは12.5型ワイドで試用機の解像度はWQHD(2,560×1,440ドット)となっている。画面の精細度(1インチあたりのドット数)は234ppiもあり、肉眼では1つ1つの画素が判別できないほどだ。
液晶パネルはIGZO形式で、視野角が最大170度と広く、斜めから見ても色の変化が少ないのが特徴だ。また、ノートPCの液晶としては色域がかなり広く、Adobe RGBの色空間の70%をカバーしている。
実際に一般的なノートPCの液晶や普及価格帯の外付けディスプレイと比較してみたが、通常は再現されにくい鮮やかな緑や青などがオリジナルに近い色で表示されていた。
ちなみに、上位モデルの4K UHDモデルは解像度が3,840×2,160ドット、画面の精細度は352ppi、Adobe RGB100%カバーとなっており、スペック的にはプロのデザイナー用の高額な外付けディスプレイに迫る性能だ。
Webや映像などPCで取り扱うコンテンツはAdobe RGBより色域の狭いsRGBを基準にして制作されているので、正直なところ一般的なユーザーにとってそこまでの性能が必要となるシーンはあまりないが、より高性能な表示能力を求める場合は当然選択肢の1つに入ってくるだろう。
なお、液晶ディスプレイはタッチパネル対応になっており、マルチタッチによるジェスチャー操作も行える。タブレット形状に変形できないクラムシェル型ノートPCなので、タッチパネルの操作に最適化されているわけではないが、ヒンジもしっかりしているので、タップやフリックでディスプレイがぐらぐら動くことはなく、思ったよりも使いやすかった。
1,680万色表現可能な光るキーボード
ゲーミングデバイスを手がけるRazerらしく、本機にはゲーマー向けの機能が数多く盛り込まれている。中でも印象的なのが、マルチカラーのバックライトキーボードだ。
キーボードにRGB LEDが内蔵されており、1,680万色のさまざまな発光パターンのイルミネーションを楽しむことができる。もちろん、ユーザーが光の色や発光パターンをカスタマイズすることも可能。こういった発光コントロール機能を同社では「Razer Chroma」と呼んでおり、本機以外にも同社のマウスやキーボード、ヘッドセットなどに搭載されている。
実際に光の色や光り方のパターンを変更するには、プリインストールされている「Razer Synapse」というソフトウェアを使用する。非常に細かい部分まで設定が可能だが、あらかじめプリセットが何種類か用意されているので、そこから好みのものを選ぶだけでも結構楽しめる。
例えば、光り方のパターンには「ウェーブ」や「波紋効果」、「呼吸音」、「静的」などがあり、キーボード上を虹色の波が寄せては返すように光らせたり、押したキーを中心に波紋が広がるように光らせたりすることができる。
アプリ内のメニューから「CHROMAコンフィグレーター」を起動すれば、特定のキーの色だけを変えたり、エフェクトの開始のタイミングやスピードを変えたりとった詳細な設定も可能。また、「ゲームテンプレートを選択」メニューからプリセットを選ぶことでFPSやMMO、MOBA、RTSなどのゲームに適したキーイルミネーションに切り替えることもできる。
このほか、「ゲーミングモード」をオンにすることで、Alt+Tabキーや、Alt+F4キー、Windowsキーのようにゲーム中に使いたくないキーやキーコンビネーションを無効化することも可能だ。
ちなみに、こういったRazer Chroma機能に対応したゲームの情報や、Chromaを利用したアプリやミニゲーム、ユーザーの自作プロファイルなどは同社が運営するWebサイト「Razer Chroma Workshop」でも公開されている。中には再生中の音楽に合わせて発光パターンが変わる「Music Visualizer」のようなアプリもあるので、本機を購入したらいろいろ試してみるとおもしろいだろう。