Appleはグローバルでビジネスを展開する企業だ。各国での大きな売上を上げ、これが米国に集められる構造は、貿易摩擦以上の軋轢を生み出す可能性があり、それが顕在化されているところもある。米国の大統領候補も含む、保護主義を唱えるリーダーの台頭は、Appleのようなビジネスを難しくしていく。
もはや、製品の善し悪しだけではなく、その国にどのような貢献や影響を与えているか、という点まで含めて、Appleのブランドが構成されている。Appleは従業員の多様性や、地球環境といった社会的責任を強調してきた。貿易や雇用に関しても、こうした責任として、今後も取り組んでいく姿勢を見せることになった。
結果として、その国や地域でのAppleのビジネスを円滑に進めることができるようになるのであろう。
松村太郎(まつむらたろう)
1980年生まれ・米国カリフォルニア州バークレー在住のジャーナリスト・著者。慶應義塾大学政策・メディア研究科修士課程修了。慶應義塾大学SFC研究所上席所員(訪問)、キャスタリア株式会社取締役研究責任者、ビジネス・ブレークスルー大学講師。近著に「LinkedInスタートブック」(日経BP刊)、「スマートフォン新時代」(NTT出版刊)、「ソーシャルラーニング入門」(日経BP刊)など。ウェブサイトはこちら / Twitter @taromatsumura