iPhoneの台数を稼ぐインセンティブは、iPhoneそのもののビジネスの他にある。それはApp Storeのビジネスだ。
2016年第3四半期決算の中で唯一光っていたのが、App Storeを含むインターネット・コンテンツサービスの売上高。59億7,600万ドルの売り上げは、前年同期と比較して「19%」増加したことだった。
年間200億ドルを超えるペースに乗っており、App StoreやApple Payを中心とした、販売したデバイス向けのサービス事業だけで、来年にも、米国の主要企業Fortune 100企業と同じ売上規模を達成できるようになるとしている。
Appleは開発者会議WWDC16では、200万本のアプリがApp Storeで配信されていることがアナウンスされ、開発者に支払った収益は500億ドルになったことが明らかにされた。
続報もある。Tim Cook氏は、Twitterで、2016年7月のApp Storeでの売上が過去最高になったことを報告している。もちろん、それを牽引したのは言うまでもなく、社会現象を世界で巻き起こしている「Pokemon GO」だ。
前述の第3四半期決算には、7月7日配信のPokemon GOのアプリ内課金から得る収益は含まれていない。2016年10月末に発表されるであろう2016年第4四半期決算におけるサービスの売上が、大幅に上振れするのではないか、と容易く推測される。
アプリにお金が出せるユーザーの大半を抱えているiOSプラットホームにおいては、大ヒットゲームの収益の多くを手に入れることができている点が特徴だ。
こうした環境を維持していくためには、iPhoneユーザーの増加、そして新機種を使うユーザーの割合を増やしていくことがもちろん重要だ。Appleの製品戦略には、App Storeを核とするプラットホームのメンテナンスという側面も合わせてみていかなければならない。