Android TVと聞くと、「GoogleのAndroid OSを搭載したテレビ」のことかと思ってしまうが、それは正しくない (明らかなまちがいとも言い切れないが)。大雑把ではあるが、「テレビのためにGoogleが用意したAndroid TVというプラットホーム」というのが正解に近い表現だろう。

X9350Dの設置が完了し、最初に起動するとGoogle アカウントの入力を求められる。これが最初にAndroid TVであることを実感したところである。そして、X9350Dのホーム画面、これを見ればすぐに今までのテレビとは違うことがわかる。ホーム画面の最上段には、YouTubeのおすすめ動画やNetflixのコンテンツ、クックパッドのおすすめレシピ、Google Playのゲームなどのサムネールが並ぶ。

一方、X9350Dのリモコンで番組表を表示させたり、チャンネルを切り換えたり、外付けHDDに録画予約をしたり、といったテレビの基本操作をする分には「これがAndroid TVか!」と驚くようなことはない。操作に対するレスポンスも特別に速くはないが、遅くもなく、フツーに使える。

Android TVはGoogleアカウントを登録して使用する。自分のアカウントでログインすると、YouTubeの履歴などが家族にバレる可能性は否定できない。かといって、家族全員用アカウントを新規登録して使うと、これまでのお気に入り情報などを使えない

つまらん放送を避けて、ネットにエスケープ

テレビ放送を見ていて、くだらないと思ったら、ネットコンテンツに移動する。逆にネットコンテンツを4K大画面で楽しみながら、必要なときだけテレビ放送を見る。このように放送とネットを横断して使えるのがAndroid TVの長所だ。動画サービスのアプリは、YouTube、niconico、Netflix、hulu、GYAO!、dTV、U-NEXT、PSビデオ、楽天SHOWTIME、TSUTAYA TV、DMM.comなど幅広く用意されている。

4Kの大画面でYouTubeという点では、エクササイズやダンスのチュートリアルなどはテレビから離れて動きながらでも見やすいので向いているように感じた。X9350Dの試用期間中に娘のダンスの課題曲がケツメイシの「友よ」であることがわかり、YouTubeで振り付けビデオバーションを一緒に見ることができたのは収穫だった (なぜならダンサーがかわいい!)。

テレビ放送がつまらなければ、すぐにYouTubeなどのネット動画に移れる。逆もまたしかり。音楽再生リストをゆるゆるとかけ流すのもよい

Android TVには、ワシントンポストやブルームバーグなどのニュース配信アプリもある。国内のメディアでは、朝日新聞社が7月下旬に「オンデマンド高校野球」をリリースする予定だ

試用期間にちょうどサッカーの欧州選手権が開催されていた。UEFAの公式アプリはなかったが、イタリア・RAI社のアプリを発見