本機を実際に使っていて印象に残ったのが、長時間使用した際の疲れの少なさだ。たとえば、キーボードはキートップが少し凹状にカーブしており、指でキーを押さえやすくなっている。また、親指で打つキーは重めに、小指で打つキーは軽めになっているため、長文を入力する際に特定の指だけ負担がかかって痛くなってしまうこともなかった。

付属キーボード。スペースキーや変換キー、無変換キーのように親指で押さえることの多いキーは重めに、小指で押さえることの多いキーは軽めになっている

液晶ディスプレイも利用シーンに合わせて画質や色合いを変更できる機能が搭載されており、こまめに設定すれば目にかかる負担を軽減することが可能。特に目に負担の大きい青色の光を低減してくれる「ブルーライトカットモード」は、就寝前などに重宝しそうだ。

ほかにも、脚部の間にキーボードがすっぽり収納できるようになっていたり、ダイレクト・メモリースロットやUSB3.0コネクタ、電源ボタンなど、頻繁にアクセスするインターフェイスを本体前面に配置していたりする点も好印象だった。

キーボード上部にはワンタッチボタンが搭載されており、押すだけでアプリやサービスを起動できる

目に負担のかかる青色の光を削減する「ブルーライトカットモード」も搭載されている

CPU性能を考えると映像編集をバリバリこなすヘビーユーザーには現行モデルのシリーズ最上位機種「FH77/XD」をお勧めしたいが、Web閲覧やテレビ番組の録画・視聴、文書作成などがメインというライトユーザーなら、本機でも力不足を感じることは少ないはず。実は国内大手PCメーカーの今季量販モデルでテレビチューナー搭載機は富士通とNECだけで、中でもハードウェアを新しくしたのはこのFH53/YDのみだ。いわゆる「テレパソ」の選択肢が少なくなっている今、テレビ機能を備えつつ、コストパフォーマンスのよい一体型PCを探している人には、ぜひ注目してほしい製品だ。

製品名 ESPRIMO FH53/YD
CPU Intel Celeron G3900T(2.60GHz)
チップセット Intel H110 Express
メモリ 4GB
ストレージ 1TB HDD
光学ドライブ DVDスーパーマルチドライブ
グラフィックス Intel HD Graphics 510(CPU内蔵)
ディスプレイ 23型ワイド(1,920×1,080ドット)
ネットワーク 1000BASE-T/100BASE-TX/10BASE-T対応有線LAN、IEEE 802.11a/b/g/n/ac対応無線LAN、Bluetooth 4.1
インタフェース USB 3.1 Type-C×1、USB 3.0×4、USB 2.0×1、アンテナ入力端子、miniB-CASカードスロット、マイク・ラインイン兼用端子、ヘッドホン・ラインアウト兼用端子など
メモリースロット SDカードスロット
TV機能 地上デジタル/BS/110度CSデジタル対応チューナー×2
サイズ/重量 W544×D158×H418mm(最小傾斜時)/約7.2kg
OS Windows 10 Home 64bit
店頭予想価格(税込) 173,000円前後