刈羽村側にある5号機、6号機、7号機原子炉建屋の見学もさせてもらった。6号機と7号機の建屋に入るには、6・7号機を連結するサービス建屋を経由するのだが、こちらのチェックも厳重だった。まず、携帯電話のような通信機器の持ち込みは厳禁。入り口には金属探知機が設置され、所持品が検められる。そのうえでIDカードをリーダーにかざし、公正だと認められなければゲートが開かない。幾重ものチェックを受けなければ、建屋内部には足を踏み入れられないセキュリティ体制だ。
原子炉停止以前のヒューマン・リソースを維持
建屋内で最初に案内されたのは中央制御室前だ。“前”ということは入り口付近ということで中央制御室は拝見できなかったが、写真パネルでイメージを確認できた。制御室では18人一組で作業にあたるが、福島原発事故以前は10人一組だったという。前出の林副所長は「不測の事態が生じた際、何より頼れるのが“マン・パワー”」と前置きし、「たとえば、普段は制御室に詰めているスタッフでも、所内の消防車を扱える訓練を行っている。複数の作業に対応できる個人個人がチームを組めば、予想外の事態に対応しやすい」と、増員の理由を語る。
ちなみに現在、原子炉は停止しているが、そのことによりヒューマン・リソースを削減していないそうだ。協力企業の職員を含め6,000人以上のスタッフが、柏崎刈羽原発で働いている。