Google I/O 16で、Googleは、人工知能を生かした対話型のプラットホーム「Googleアシスタント」と、これを音声で扱うことができるデバイス「Google Home」を披露した。

Google Home

自然な言葉で、対話をしながら情報を調べたり、レストランの予約を行ったり、家の中のデバイスを操作したりといった様子を公開しており、Amazonがすでに取り組んできた音声アシスタントデバイス「Amazon Echo」よりも使い物になるのではないか、という前評判だ。

テクノロジー業界において、音声アシスタントを家の中で活用するというトレンドは、VR以上に生活に関与する可能性がある。2016年の象徴的なテーマだ。冷静に考えてみると、これは大きなことだ。しかし、その期待は果たして、本物なのだろうか。

今までコンピュータなどの装置は、ランプやスイッチの状態、そしてディスプレイと、目で見て確認できるデバイスを頼りに、指先での操作を行ってきた。

Appleは、操作するためのボタンと、結果を目視するためのディスプレイを1つにまとめ、マルチタッチディスプレイをiPhoneに採用した。以来、タブレット、スマートウォッチには、画面に表示されている情報に直接触って操作するタイプのデバイスが主流になっている。

音声で操作するデバイスが今後主流となるならば、マルチタッチ以来のパラダイムの変化となり得る。

マルチタッチディスプレイに対する多くの人々のアレルギー反応があったように、おそらく、いくら合理的なインターフェイスであっても「マルチタッチディスプレイの方が使いやすい」という評価が下されるのは想像に難くないだろう。指先を使わないのは、操作可能なデバイスが生まれて以来最大の変化だからだ。