iPad移行後も、パソコンはそのまま使い続けています。しかしその頻度は極限まで下がりきっている状態です。

MacBook Proに触れるのは、家に帰ってきて、残っている仕事を片付けたい時と、週に1度の写真の整理のとき。また月末の会計処理もMacBook Proの役割です。ただし、日本の銀行口座にアクセスするためにはWindows PCを利用しなければならないことが多く、Intel Atomプロセッサを搭載した真っ赤なASUS EeeBookは、その専用マシンになっています。これらは、引き続き、使っていくことになるでしょう。

試しにMacBook Proを久しぶりに持ち出してみましたが、1.5kg以上重たく巨大な本体と、すでに4年を経過してさほど長持ちしなくなったバッテリー、そして時折襲われるもたつきは、iPad Proにはないストレスとなりました。

その一方で、ぱかっと開けば瞬時にフルの仕事環境が手に入る、大画面ノートパソコンのメリットもまた存在していました。

筆者はiPad Proをスタンドで縦型に自立させ、Bluetoothのキーボードを接続し、ワイヤレスヘッドフォンを装着して仕事環境としていますが、仕事をし始めるまでのは圧倒的にパソコンを開くだけの方が早かったのです。

将来は、差がなくなっていく

Appleは同社のプレゼンテーションで、iPhone → iPad → Mac → iPhone …というデバイス進化のサイクルを示したことがあります。それぞれの良い点を採用し合いながら、体験を高めていく戦略です。

このサイクルが回れば回るほど、iPadとMacは近くなっていくし、好みやスタイルに合わせて「どちらを選んでも良い」環境になっていくでしょう。

筆者は軸足をiPadに移しましたが、その上でMacの発展も楽しみです。より自由に、ハイエンド、プロフェッショナルなマシンとしての進化を進めていくのではないかと予想することができるからです。

松村太郎(まつむらたろう)
1980年生まれ・米国カリフォルニア州バークレー在住のジャーナリスト・著者。慶應義塾大学政策・メディア研究科修士課程修了。慶應義塾大学SFC研究所上席所員(訪問)、キャスタリア株式会社取締役研究責任者、ビジネス・ブレークスルー大学講師。近著に「LinkedInスタートブック」(日経BP刊)、「スマートフォン新時代」(NTT出版刊)、「ソーシャルラーニング入門」(日経BP刊)など。ウェブサイトはこちら / Twitter @taromatsumura