今回発表された再開発のなかでも注目なのが、日比谷線に新駅が開設されることだろう。新駅の建設事業は東京メトロとUR都市開発機構によるもので、やはり東京オリンピック開催に間に合わせて2020年に供用開始、最終的な完成は2022年を目指す。新駅に関して森ビルは事業主体ではないが、相当な期待を寄せていると考えてよい。というのも、虎ノ門ヒルズは銀座線・虎ノ門駅から若干離れた位置にあり、“陸の孤島”感が否めない状況にあったからだ。
だが、新駅が完成すれば地下鉄直結となり、ビルとしての利便性が増す。さらに野村不動産が進める再開発とも連携し、銀座線・虎ノ門駅から虎ノ門ヒルズへの地下通路も計画されている。“駅直結”は一級のオフィスビルを満たす絶対条件。これまで外を歩かなければアクセスできなかった虎ノ門ヒルズにとって、駅直結はノドから手が出るほどほしかった“機能”だったにちがいない。
加えて大型のバスターミナルも設置する。地下鉄直結と合わせ、アクセスのしやすさを大幅に向上させる予定だ。
六本木・虎ノ門、両ヒルズが同一路線上に!
日比谷線の新駅開設は駅直結というメリットを生むだけではない。森ビルの象徴的な存在である六本木ヒルズと虎ノ門ヒルズが、1本の路線上で結ばれることになるのが最大の利点といえよう。両ヒルズが有機的に連携するのにこれほどの好条件はない。さらに、新駅と六本木駅のあいだにある神谷町駅周辺の価値がグンと上がってくることが予想できる。