ATOKが健康をサポート?
コンセプトの3つめ「健康をサポート」は、デザインの刷新や変換候補ウィンドウのフォントサイズ変更、「リフレッシュナビ」の搭載だ。変換候補ウィンドウのサイズや配色変更はひと目で分かるため割愛するが、筆者が嬉しいのは変換候補ウィンドウのサイズをユーザー環境に合わせて自由に変更できる点である。
最近は高解像度ディスプレイを使う機会が増えているが、筆者も視力低下に伴い候補ウィンドウが見えづらくなっていた。そのため本機能を使用し、変換候補ウィンドウの表示サイズを150%に拡大して使っている(本稿の画像も同じ)。下図に、100%、150%、200%の例を示した。
これらの設定は変換候補ウィンドウに留まらず、電子辞典ウィンドウにも対応し、変更結果はそのまま維持される。
そして「リフレッシュナビ」は、キータイプ数や入力ミスの傾向などを判断し、休憩タイミングを知られる機能だ。各種情報を元にした「疲労感」が高くなってくると、トースト通知のように休憩をうながす画面が現れる。
どのような仕組みかは確認できなかったが、ATOK 2016のオンオフにかかわらずキータイプ数をカウントし、[Backspace]キーや[Delete]キーを用いるシーンを入力ミス回数としてカウント。ここから入力精度や指の移動距離を計算しているようだ。リフレッシュナビが不要なら、「リフレッシュナビを使用しない」にチェックを入れて閉じればよい。
さて、冒頭で述べたようにプレミアム版は、約30万項目の単語を収録する精選版日本国語大辞典や、8年ぶりの改訂となるジーニアス英和/和英辞典も有益な存在である。既存のATOKユーザーが、バージョンアップを避ける理由はどこにも見当たらない。ATOK 2016も30日間試用できる体験版が用意されているので、MS-IMEやGoogle日本語入力で十分と思っているユーザーも、この機会に試してみてはいかがだろうか。
阿久津良和(Cactus)