ATOKタイプコレクト

もう1つのATOKタイプコレクトは、キータイプ時に指がホームポジションからずれた状態でも、正しく文字変換を行う機能だ。例えばローマ字入力で「ありがとう」と入力するには「arigatou」とタイプするが、「stohsypi」と入力しても「ありがとう」と変換できる。これが右手のポジションがずれて「arogatpi」とタイプしても動作するのは面白い。

タイプミス時も適切な変換候補を提示する「ATOKタイプコレクト」

両手のホームポジションが上方向にずれた場合や、1文字だけ押し間違えた場合、母音と子音の順番が入れ替わった場合にも対応できる。ローマ字変換テーブルの枠を広げたと思われるが、正しく入力せずとも意図する単語に変換する発想は高く評価したい。

「ぢ/し」や「づ/ず」といった入力の揺らぎに対する固有名詞変換もサポートした。例えば「さんげんぢゃや」「さんげんじゃや」とどちらでも「三軒茶屋」に変換できる。さらに、市区町村に続くより詳細な地名、川や橋といった名称を大幅に拡充した。

ほかにも確定時の学習機能を改善し、間違えて確定した語句をそのまま[Backspace]キーで削除すると、変換候補としての学習がキャンセルされる。もしくは、間違えて確定したあとに、[Ctrl]+[Backspace]キーで確定を取り消してもよい(確定前の状態に戻る)。[Ctrl]+[Backspace]キーによる確定取り消し自体は、以前から備わっているATOK標準のショートカットキーだ。

[Ctrl]+[Backspace]キーでの確定取り消しは、通常の変換候補だけではなく推測変換にも適用される。よって、ユーザー辞書がおかしくなってしまうIMEの問題を容易に解決できるのだ。

誤って確定した単語を選択して[Backspace]キーを押せば、不要な学習結果を破棄できる