オフィスで仕事をしたり、学校で勉強する際には蛍光灯のような白い光が使われることが多い。文字を読む際にも紙面と文字とのコントラストをしゃっきりと際立たせ、集中力を高めて取り組むことができる。一方、カフェやバーといったリラックスしたい空間では電球色の暖かい光が好まれる。

日本に帰ってくると、いつ見てもスターバックスではノートパソコンを拡げている人が多いが、天井を見ると暖かみのある光が射している。リラックスした中で仕事をしたいのか、仕事をしたくないのか、どちらなのだろう? と思ってしまうのは筆者だけだろうか。

最近ではLED電球も普及しており、同じ調光設備で仕事モード、リラックスモードを作り出せる。筆者はPFUのSnapLiteという、iPhoneをセットすればスキャナとしても使えるデスクライトを愛用しているが、SnapLiteもアプリから、白色・暖色、明るさの調節ができるため、時間帯によって、あるいは仕事の種類によって照明を変えながらデスクに向かっている。

iOSのナイトシフトモードは、生活の中で割と知られている照明の色の用途を、スマートフォンやタブレットに取り入れる試みだ。生活環境デザインという観点からすれば、iPhoneの対応は周回遅れにも見える。それでも、人の生活に寄り添おうとする姿勢は、とても好感が持てるものだ。