インタフェースには、USB 3.0×2、USB 3.1 type-C×1、アナログRGB(D-Sub15ピン)、有線LAN、SD/SDHC/SDXC対応メモリーカードスロットなどが用意されている。
ここで注目したいのは、最新規格USB 3.1 type Cを載せている点だ。Thundebolt 3やDisplayPortとしても利用でき、外付け高速ストレージや液晶ディスプレイなどさまざまな用途に利用できる。いまはまだ対応機器が少ないものの、将来的には普及することが見込まれており、その点でVAIO S11の拡張性は高い。ただし映像出力向けの端子がアナログRGB端子(D-sub15ピン)しか用意されておらず、HDMI入力のみの映像機器を使うには別途アダプタが必要だ。
有線LAN端子にはカバーが用意されており、カバーを開くと底面部よりもやや盛り上がる仕様になっている。だがVAIO S11は液晶ディスプレイを開くと底面が浮くようになっているため、端子のカバーが接地面に干渉することはない。また周辺機器利用時にケーブルが干渉しないよう、端子類の間隔も比較的広く取られている。
LTE通信のためのSIMカードスロットは、本体の背面に用意されている。カードのサイズはmicroSIMだ。
VAIO S11はSIMロックのない「SIMフリー」端末だ。対応バンドは下表のとおりとなっている。SIMフリーをうたっているものの実際にはNTTドコモがサポートするバンド1/3/19/21しかサポートしていないため、国内では実質的にNTTドコモあるいはNTTドコモ系MVNOしか利用できない。これに関しては、今後の対応バンド拡大に期待したい。
■VAIO S11の対応バンド | |
LTE | バンド1/3/19/21 |
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3G | バンド1/19 |
対応バンドは少ないものの、NTTドコモが対応する4種類のバンドにはすべて対応しており、いわゆる"クアッドバンド"を利用した高速なLTE通信が可能だ。最大通信速度は下りで150Mbpsとのこと。開発当初からLTEを利用することを前提に設計されているため、受信感度も最適化されているという。
筆者所有のSIMカードを挿入してみたところ、NTTドコモの電波は認識されていた。APN設定などは「設定」の「ネットワークとインターネット」→「携帯電話」から行なうのだが、試用機は発売前のテスト機であるため実際には利用できなかった |
SIMフリーのVAIO S11の発売に合わせ、VAIOはMVNOとしての事業に参入、格安SIMサービスの展開を開始した。サービス名は「VAIOオリジナルLTEデータ通信SIM」で、名称からもわかるようにデータ通信専用のプランを用意している。12月9日にオープンしたVAIOのオンラインストア「VAIOストア」でのみ、SIMカードの購入が可能だ。
プランの種類は「手間なし1年間プラン」と「手間なし2年間プラン」、「手間なし3年間プラン」の3種類で、それぞれのサービススペックは下表のとおりとなっている。
■「VAIOオリジナルLTEデータ通信SIM」のプラン内容 | |||||
プラン名 | 利用期間 | 常時接続モード(200kbps) | 高速通信モード(最大150Mbps) | 単品購入価格(税別) | 「VAIO S11」同時購入価格(税別) |
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手間なし1年間プラン | 1年間 | 使い放題 | 32GB分付属 | 13,800円 | 11,800円 |
手間なし2年間プラン | 2年間 | 64GB分付属 | 22,800円 | 20,800円 | |
手間なし3年間プラン | 3年間 | 128GB分付属 | 32,800円 | 29,800円 |
特徴的なのは高速通信容量がひと月あたりで定められているのではなく、年単位で決まっている点だ。例えば「手間なし1年間プラン」だと、32GBの容量を13,800円(税別)で最大1年間使えるということになる。短期間のうちに容量を使いきってしまうスタイルもアリだが、きっちり1年間使うなら1カ月あたりに利用できる容量の目安は2.66GBで、ひと月あたりのコストは1,150円(税別)だ。
スマートフォン向けの格安SIMサービスでは、ひと月あたりのデータ通信容量が3GBで月額料金が1,000円程度のものもある。その点を考えれば、VAIOの格安SIMサービスはやや割高といえる。
しかし月によって利用する容量が変わる人なら、VAIOの提供するサービスのほうがトータルコストを安く抑えられる場合がある。例えば月に5GB使って翌月はまったく使わないというサイクルを繰り返す人の場合、ひと月あたり1,200~1,300円の5GBプランに加入するよりも、1年間の合計で32GBの容量を使えるVAIOのプランのほうが若干お得になる。
ちなみに高速通信を使わない場合は、Windows 10のモバイル通信機能をオフにしておけばOKだ。提供が予定されている専用ユーティリティを使えば、最大200kbpsの常時接続モードへ手軽に移行できるので、活用するといいだろう。