ベンチマーク結果「消費電力」

最後に消費電力。ワットチェッカーを利用してシステム単位の消費電力を計測したのが次のグラフだ。IdleはOS起動後10分の最小値、Loadは3DMarkのFire Strike Ultraを実行した際の最大値をプロットしている。

R9 380Xの消費電力が最も高い結果となった。性能で上を行かれるGTX 970よりも高いというのは話にならないが、ここは第2世代Maxwellをほめるべきだろうか。

まとめ - 性能面では「隙間」を埋められそうだが……

さて、Radeon R9 380Xのレビューをお届けしてきたが、性能面では既存ラインナップの穴を埋めるだけの力は十分に持っている。4Kまでは行く気はないが、フルHDよりもう少し高解像度でゲームをプレイしたい場合や、フルHDでもっとパフォーマンスを上げたいといった場合にいいだろう。もちろん旧世代製品からの買い換えも検討に値する。

さて、問題なのが「価格の隙間」も埋められるかだ。税込みでの実勢価格を見ると、AMD製品ではRadeon R9 390が4万円台前半から後半、Radeon R9 380は2万円台半ばから3万円台前半だ。一方のNVIDIA製品はGeForce GTX 970が3万円台後半から4万円台半ばくらいがメイン、GeForce GTX 960が2万円台半ばから後半となっている。

Radeon R9 380Xの初値は、冒頭でお伝えした通り税別3万円台半ばから4万円台前半(税込みで3万円台後半から4万円台半ば)。GeForce GTX 970と同じレンジだし、Radeon R9 390にも手が届いてしまう。競合と目しているGeForce GTX 960と勝負できるかといったら難しいところだろう。

初値が高めについてしまうのはある程度しかたがないことではあるが、それほど間を空けずに価格が落ち着くことを期待したい。いましばらく様子見というのがいいだろう。