1点慣れないのは、縦長の作業領域、という点です。

前述のエディタやワープロ、ウェブブラウザなど、縦長の文書を扱うようなアプリは、画面分割でも非常に効率よく表示してくれます。しかし、リストとアイテムの中身を横に並べて表示するようなメールやメモなどのアプリ、横長の文書を扱うことが多い表計算やプレゼンテーションアプリは、スペースの使い方が非効率になってしまいます。

その点も踏まえて、試して良かった画面分割の組み合わせを考えてみました。

  • WordもしくはPowerPoint + Excel、PagesもしくはKeynote + Numbers

筆者が画面分割で「便利だな」と気づいた組み合わせ例です。プレゼンスライドにグラフをいくつも入れていくシチュエーションで、左にNumbers、右にKeynoteという組み合わせが非常に効率的でした。

21.5インチのiMac Retina 4Kディスプレイモデル。写真ではGarageBand + Evernoteの画面分割を実践中

  • Safari + Evernote

情報収集をして、原稿やプレゼンなどの「メモ」を作るための組み合わせ。Evernoteは、メインウィンドウを画面分割にするのではなく、通常のデスクトップで開いている状態で1つのノートをウィンドウとして開いて、これを全画面化し、Safariと組み合わせます。すると、左でブラウジングをし、必要な情報やリンクを右に貼り付けていく、という作業が快適にできます。

  • Evernote + テキストエディタやワープロアプリ、プレゼンテーション

前述の組み合わせで作ったメモを使って、原稿やプレゼンを仕上げる際にはこのコンビネーションです。Safariの画面分割ウィンドウを一度閉じて、仕上げるアプリを再び、個別のEvernoteのノートウィンドウと組み合わせます。

  • 地図 + カレンダー

出張や旅行などの計画に便利なのが地図とカレンダーの組み合わせ。そもそも移動に何分かかるのか、決まった予定までの時間をどう使えば効率的なのか、といったルートの検討をする際に活用しました。この時間も含めて、旅行の楽しみと言えますね。

  • Evernote + GarageBand

少しレアな使い方かも知れませんが、Podcast収録の際にこの組み合わせを便利に使いました。できるだけ収録の時間を短く、簡潔に喋るには、事前の台本が必要です。もちろん、一言一句を書き起こす必要はありませんが、箇条書きで話しの流れを作っておくと、聞きやすくなるのではないでしょうか。

Keynote + Numbersの組み合わせは、グラフィカルなプレゼンテーションを作成する際に、威力を発揮してくれる。Keynote内でもグラフを作成できるが、Numbersで作成した方が表作成のプロセスで圧倒的に効率的

とりあえず1週間で試してみた組み合わせはこんなところです。筆者の場合、文字主体であること、そしてEvernoteに割と多くの情報を集約していることから、Evernoteを核にした組み合わせが多い印象があります。

特筆しておくと、1つ目のOfficeアプリケーションの組み合わせは、予想以上に効率化が図れました。画面分割の効率性を求めて、デスクスペースが許せば、27インチモデルでも良いんじゃないか、と思えるぐらいです。

皆さんも、良い組み合わせを見つけてみて下さい。

松村太郎(まつむらたろう)
ジャーナリスト・著者。米国カリフォルニア州バークレー在住。インターネット、雑誌等でモバイルを中心に、テクノロジーとワーク・ライフスタイルの関係性を執筆している。慶應義塾大学SFC研究所上席所員(訪問)、ビジネス・ブレークスルー大学講師、コードアカデミー高等学校スーパーバイザー・副校長。ウェブサイトはこちら / Twitter @taromatsumura