――前作の評価が高ければ高いほど、その評価を超えるのは難しくなりますね

atsuko「アニメだと特に思い入れもあったりするじゃないですか。『イグジスト』なんて、第2クールの17話まで流れたんですよ。普通のファンの方は最後までそれでいいじゃんって思うと思うんです」

――2クール同じ主題歌というのも珍しい話ではないですからね

atsuko「私自身、それでもいいかもってちょっと思うぐらいの気持ちがありつつ、受け入れてもらえるかしらという不安もあった中での『DEAD OR ALIVE』だったのですが、これはXEBECさんの絵の力が大きいのですが、18話から流れたのを観た人から、『本当にangelaさんで良かった。ありがとうございます』という意見を沢山いただいたというのを聞いて、何か自信が付きました(笑)」

――最後の最後になって

atsuko「10年以上もやって、やっとファフナーの歌を書く自信ができました!」

KATSU「自信というより覚悟ですね」

atsuko「もう何を言われてもいいや、私たちはこれをファフナーだと思って書いたんです、どうぞ、みたいな気持ちで出せるようになりました」

――そういう意味では、『RIGHT OF LEFT』や『HEAVEN AND EARTH』の頃は、まだまだ迷いがあったのでしょうか?

atsuko「そもそも『Shangri-La』でさえ、わからないままに書いた曲ですから。『Fly me to the sky』を書いた頃は、もっと明るいお話だと思っていたんです。これで最後だと思っていた『蒼穹』でさえ、これ大丈夫かな、あっているかなと思っていました。ただ、最初のTVシリーズから、今回の『EXODUS』までの間に、TVスペシャルや映画、音楽劇や舞台もあったので、まったく空白だったわけではない。そのおかげで、ほかの作品の曲を作りながらもファフナー感をずっと自分の中に残せていたのが良かったんだと思います」

――『Shangri-La』からいきなり今回だったら、全然違うものになっていたかもしれませんね

KATSU「『ヒロイック・エイジ』だって、XEBECで冲方さんだし、羽原監督は毎年ライブに来てくれているし、5周年でCDを出したりもしましたし、何だかんだでずっとファフナーから離れていないんですよ。オンエアがなかっただけで、常に何らかの関わりがある」

atsuko「この曲を作っているとき、XEBECさんにお邪魔して、若いアニメーターの方の前でアコースティックライブをやってみたり、若いアニメーターさんや能戸総監督、羽原監督と一緒に、その後ご飯を食べに行ったり」

KATSU「年明けも行くことになってます(笑)」

atsuko「それはもう作品としてというより、KATSUと羽原監督が勝手に決めちゃったことだったんですけど、そこで、若いアニメーターさんの熱量や愛をすごく感じることができました。実際に映像を観たときにも感じていたんです、何だこのにじみ出るような愛情はって。アニメーターさんたちが本当にファフナーが好きなんですよ」

KATSU「10年前にテレビでファフナーを観ていて、ファフナ-が好きで、XEBECに入社したみたいなアニメーターさんもいらっしゃって」

atsuko「もちろんアニメーターさんは変わっていたのかもしれませんが、また新たな若いパワーがこうしてファフナーを作っているんだというのを実際に見て、それがすごく刺激になり、『DEAD OR ALIVE』や『ホライズン』を作る糧になったと思います」