OC操作のためのオンボードボタンが充実
本製品をパッと見て最も目を引く部分は、メモリスロットの横に実装されたオンボードボタン群「OC TOUCH」だろう。ここまで多数のボタンを実装するのは、数あるマザーボードの中でもGIGABYTEのOCシリーズだけだ。電源ボタンやリセットボタンなどのなじみのあるボタンもあるが、ほとんどはOC設定用のボタンとなっている。
どのような効果のボタンがあるのかをチェックしていこう。
オーバークロックをする際に、最もよく使うのがクロックの変更に使う「OC Touch Buttons」だ。右の2つがCPU倍率用で、左の2つはベースクロック用となっている。プラスとマイナスの記号が書かれているので、視覚的にも分かりやすい。Gearと書かれたボタンは、ベースクロックの設定単位を変更するボタンで、1MHz刻みと0.1MHz刻みを即座に切り替える事が可能だ。
Gearボタンを駆使してベースクロックの変更単位をうまく切り替えれば、ある程度のクロックまでは1MHz単位で素早く設定して、クロック変更がシビアになってくる限界域付近では0.1MHz単位で微調整するといった使い方ができる。CPUの限界クロックまで攻める競技では、大きなアドバンテージになりそうな機能だ。
ドライバを必要としないハードウェアベースのOC機能だからか、クロック変更のレスポンスはかなり速い。ユーティリティがクラッシュしてしまうような限界域でも安定して動作するので、空冷から極冷まで活用できる。
特徴的な機能としては注目しているのは、ファンやシステムドライブのみに電源を給電する「OC Ignition」機能の有効化ボタン。CPUに給電していない状態でも、ファンに対して電源を供給し、冷気を飛ばすためにファンのみを駆動させることができる。極冷時に冷えすぎたCPUを加熱する際に便利なボタンだ。
また、CPU倍率を最低倍率の8倍まで下げる「OC Trigger Switch」にも注目したい。これは、ベンチマーク完走後の記録保存時に広く使われるボタンで、ベンチマーク完走後にCPUクロックを下げてシステムのハングを防ぐために使われる。
そのほかのオーバークロック向け機能としては、PCI Expressスロットの有効/無効を切り替えるための「PCIe Switch」や、自動オーバークロック機能の「OC Turbo」を有効化するボタン、保存した設定を呼びだすための「OC Tag」機能を有効化するボタンなどが実装されているほか、BIOSの切り替えスイッチも搭載されている。
Windows 8以降のOSでFast Bootを利用している場合に便利なのが、起動時や再起動時に押すとUEFIを起動できる「Direct to BIOS Button」だ。UEFI上での設定変更とOS上での動作確認を繰り返す際に、確実にUEFIを起動できるのでオーバークロック時には重宝する。
設定を記憶する「Settings Lock Button」も重宝するボタンのひとつだ。CMOSクリア後も記憶した設定はリセットされないので、調子がいい時の設定を記憶しておけば不調になってCMOSクリアした後の復帰が容易になる。
ここまで一通り解説したが、実に多彩なボタンが搭載されていることが分かるだろう。全てを使いこなすにはそれなりのスキルが必要だが、使いこなせれば強力な武器になるはずだ。