22フェーズのVRMと独自クロックジェネレータを搭載
デジタルPWMコントローラに採用されているのは、はInternational Rectifier製の第4世代の製品で、それに組み合わせられるのは同社の第3世代のPowelRstage ICだ。これは、HiサイドとLoサイドのMOSFETとドライバICを1つのパッケージにまとめたもので、高い変換効率と低い発熱が特徴だ。
コンデンサにはGIGABYTEが日本ケミコンと共同開発したというブラックコンデンサが採用されている。105℃という高温環境下で10,000時間以上の稼動が可能とされており、高い耐久性を備えるという。
GA-Z170X-SOC Forceを使って、空冷から極冷までテストしたが、VRMの発熱が低いと感じた。PowelRstage ICの恩恵か、極冷時に1.88Vという超高電圧設定で使用しても、VRMのヒートシンクが人肌程の温度にしかならなかったのは驚いた。デジタルマルチメーターを使ってCPU電圧を計測してみても、高負荷時に電圧が振れることもなく安定していたので、VRMの完成度はかなり高い印象だ。
VRMのヒートシンクは水冷に対応していおり、市販されているG 1/4タイプのフィッティングが接続可能となっている。本格的な水冷システムを導入する際に、マザーボード用の水冷ブロックを用意しなくても水冷化できるのはありがたい。
また、VRMのヒートシンクはMOSFETのほかに、ブリッジチップの「PLX8747」も同時に冷却する構造になっている。
Z170チップセットがサポートするPCI Expressのレーン数は、最大で20レーンとなっているが、PCI Expressブリッジチップ「PLX8747」を搭載する本製品は、最大で32レーンをサポート。グラフィックスカードは、最大で4GPUまでの接続に対応するほか、2GPUの場合はフルレーンのx16接続での利用が可能となっている。
Sandy Brige世代以降のマザーボードは、ベースクロックを生成するクロックジェネレータがPCHに内蔵されたため、大幅なベースクロックの変更が行えなくなっていた。ベースクロックがPCI Expressのクロックと同期する構造になったのがその原因だ。
しかし、Skylake世代ではクロックジェネレータが再びマザーボード側に実装され、大幅な変更が可能となった。これによりOCの自由度は飛躍的に高まっている。
GIGABYTEのZ170マザーボードには「TURBO B-Clock」と呼ぶ独自クロックジェネレータが搭載されている。製品によって変更可能な範囲は違うのだが、スタンダードモデルやゲーミングモデルは90~200MHzの間で変更できるのに対し、「GA-Z170X-SOC Force」は90~500MHzという広い範囲での変更が可能となっている。
ICをノイズから守るためにシールドが搭載されていることに加え、配線を短くするためにCPUに近い位置に搭載されているといった工夫も見て取れる。