米Appleは現地9日午前10時から、サンフランシスコ市内にあるビル・グラハム・シビック・オーディトリウムで、メディア向けのイベントを開催した。
例年9月上旬にiPhoneが発表されるが、今回は新型iPhoneだけでなく、大型化したiPad Pro、3年ぶりのアップデートとなるApple TV、そしてApple Watchの新色とエルメスとのコラボモデルが披露された。
本稿では、発表内容のポイントを、製品ごとに紹介していく。なお、発表順は、Apple Watch、iPad Pro、Apple TV、iPhone 6s/6s Plusの順で、イベントの最後にはTim Cook CEOお気に入りというアーティスト、OneRepublicによる3曲のライブが行われた。
イベントの所感
イベントを通じての印象を前に述べておくと、AppleはiPhoneを核とした一般消費者向けのプロダクトに関しては、カラーコーディネートも可能な統一感を貫こうとしていると感じた。
具体的には、iPhoneとApple Watch、iPad、MacBookあたりは、iPhoneで追加されたローズゴールドを含む展開を行い、ハイエンドのコンシューマープロダクトの世界観を展開することによる「ブランド」強化を着実に進めている。
デザインに限らず、ハードウェア、ソフトウェア、インターフェイスデザインが密にコラボレーションを採ることによる「体験」も、統一感を持たせ、ブランド強化と他社製品に対する差別化を測っている。Retinaディスプレイに始まり、Touch ID、Siri、3D Touch、Live Photoといったテクノロジーは、「Appleらしい体験」を構成する要素といえる。
長らく進化を止めていたApple TVは、テレビをAppleらしい体験へと変化させる起爆剤という位置づけだ。一方、大型化されたiPad Proは、前述のiPhoneを核としたエコシステムによって低迷しているため、クリエイティブ、ビジネスといった新たな用途と競争力を獲得しようとしている。
それでは、個別の発表内容について、振り返っていこう。