静音性をチェック
では組み込んだシステムで「OCCT Perestroika 4.4.1」の「Power Supply」テストを実行し、CPUおよびGPU温度とファンノイズを検証する。温度計測は「HWiNFO64」、ファンノイズは騒音計「AR815」でマイクをフロントパネル正面30cmに置いて計測した。室温26~27℃、暗騒音は35~35.7dBAの室内で測定している。
今回はケースファンは全てDS 200のファンコン側へ接続し、天板は標準の穴なしタイプで測定した。CPUのファン制御機能「Q-Fan」は「Silent」モードに設定している。
まず温度推移を3つ並べてみたが、ファンを停止させるとCPU温度が著しく上昇した。CPUパッケージの温度は100℃を越えサーマルスロットリングまで発動してしまった。吸気口はあるがGPUとCPUクーラーのファン程度では密閉性の高いDS 200だと冷却不足になるようだ。
だがファンを最低速(50%)で回せば、CPU温度はぐっと下がる。ファン最高速(100%)設定時と最低速設定時でCPU温度の最高値に変化はないが、負荷を抜いた後のCPU温度の下落率に大きな変化がある点に注目したい。
ではこの状態でファンノイズをチェックしてみよう。アイドル時はシステム起動10分後の値、高負荷時は。OCCT実行中20分経過時点でCPU負荷の高い時の値である。
ファンコンでファンを止めてしまうと逆にファンノイズは増大する、という一見直感に反する結果が出た。しかしCPUとGPUファンの回転数を比較すると、その理由がはっきりとわかる。
DS 200は密閉性が高いため、ケースファンを停止させると熱がこもる。これを解消するためにCPUやGPUファンが猛烈に回転するようになる。ケースファンを回していればCPUファンの回転数は頭打ちになるが、GPUに若干の違いが出る。これらが組み合わさると先ほどのような一見奇怪な結果が出るという訳だ。
もちろん低発熱なパーツ構成にすれば最低速の方が静かになることは間違いないが、今回のテスト環境のようにハイパワーな構成の場合は、ファンを50%設定でも回した方が静かに使えると考えて間違いない。DS 200のケースファンは50%設定では極めて静かであるため、常時運用するなら停止よりも50%設定の方がオススメだ。
最後に参考記録としてDS 200のトップパネルをメッシュタイプに交換した場合の温度とファンノイズを掲載する(グラフ中では"トップ開放"と表記)。
ケーストップを解き放つことでファンノイズは増加してしまったが、ケースファン停止状態でもサーマルスロットリングに入ることはなくなった。その一方でケースファンを動かすなら、50%も100%も今回使ったCPUクーラーでは大差ないということも分かるだろう。