ついにWindows 10も第6世代Core(開発コード名:Skylake-S)も発売開始となった。2015年はCPUとマザーボードはもちろん、ストレージなど自作PCのコアとなるコンポーネントが大きく変化した年でもある。

そこで新しくマシンを組む視点から新世代定番ケースをレビューするのがこの企画。第2回は曲面で構成されたフロントパネルが印象的なAerocool製ATXタワーケース「DS 200 Window」(以降DS 200と略)をチェックしてみたい。

Aerocool「DS 200 Window」は一度見たら忘れられない独特の面構えが特徴。今回テストしたのは最もスタンダードなブラックモデルだが、その他に5色(レッド、オレンジ、ブルー、グリーン、ブラック/ホワイト)のバリエーションも用意されている。実売価格は12,000円前後だ

静音性を重視した装備の数々に注目

曲面で構成されたフロントやトップパネルの造形はAerocool製ケースの中でも異彩を放っている。パネル表面にはシルクプロテイン塗装(公式ではレザーとうたっているが……)が施されており、普通のプラスチックやスチール製カバーとは一味違う、落ち着いた風合いが特徴だ。

注目したいのはデザイン的なアクセントも兼ねたトップ手前側の液晶だ。これはDS 200に内蔵されたサーミスタ式温度計が読み取った温度と、内蔵ファンコンの回転速度設定がこの液晶に表示される。

トップパネル手前側、円い液晶の両脇には電源スイッチやUSBポートなどが集中配置されている。床置きで設置するスタイルだと視認性もアクセスも良く非常に使いよい

液晶周囲の枠は4つのボタンになっており、左右「+」と「-」でファンコン速度(液晶上の●の数と連動)、手前「C」で液晶の表示色を7色(赤・緑・黄・青・紫・水色・白)に変更可能だ

ファンコンは最大6基を一括で制御するタイプで、回転数はファン停止、50% / 75% / 100%の4段で調節できるとなる。最近のマザーボードでは、高度なファン回転数制御が組み込まれているが、マザーボードの機能としてファンの回転を完全に停止できるものは少ない。DS 200のファンコンはあえて"ファン停止"が可能になっている、という点に注目だ。

液晶に接続されている温度センサは自分が温度を調べたいパーツに貼って使おう。センサのケーブルはトップパネルから650mmと長いため、好きな場所に配置できる

これはDS 200のDSが示す"Dead Silence"、つまり"完全な静寂"のための装備なのだ。安定した無音動作マシンを得るにはCPUやCPUクーラーといったパーツの吟味を重ねる必要があるが、夜中に落ち着いて使えるPCを組みたいと考えるならDS 200はかなり興味深い製品といえるだろう。

裏面のパーツ配置はごく普通だが、横幅を抑えるためリアファンは120mmまでの対応となる(若干開口部も狭くなっている)。バックパネル上のアーチ状の空間は、トップパネルを外す時に手を差し入れるための穴だ

左サイドパネルはアクリル製のウインドウ付きだが、右側は防振と吸音材で裏打ちされたずっしりとしたもの。鋼板の厚みは実測0.8mmであるせいか、ペナペナとした印象はない

DS 200のボディには大きな開口部がない。そのため密閉性は非常に高い。しかし、トップパネルを付属のメッシュタイプに交換すればトップファンや水冷ユニットのラジエータ設置にも対応する。

標準搭載のトップパネルは密閉製重視の単なる板だが、付属のメッシュパネルに交換することで通気性の確保も可能。トップに水冷のラジエーターを固定する場合は、当然メッシュタイプに交換することになる

フロント~トップ両端にある凹みの中には無数のスリットがあるが、これは通気孔も兼ねているため、完全に密閉されている訳ではない。フロントファンはここから吸気する仕組みだ

電源ユニット用のダストフィルター収納スペースも兼ねた特殊な形状のフットパーツを採用している。四隅に柔らかめなゴム足が付いているため少々引きずっても床を傷めにくい