10日間で世界を回るという強行軍も、何だかんだで最終回。我々はついに最終ポイント、サンフランシスコにやって来た。今回は、珍しく2泊3日のスケジュール。最後の最後に余裕のある行動ができそうだと高を括っていた我々だったが、そうは問屋が卸さない。1日目は深夜の到着だったため何もできず、2日目はBASELWORLD取材の先出し原稿の執筆で終わった。そして3日目。取材のチャンスは今日1日だけしかない。そして夜には、再び空港へと向かうのだ(こんなのばっか)。
またもやデンジャラスエリアのホテル
我々は、サンフランシスコでは一度も夕飯を食べなかった。なぜかというと、ホテル周辺を夜に出歩く勇気がなかったからである。ビビりが過ぎる、といわれば返す言葉もないが、事実、夜間はサイレンの音が絶えず、外務省のサイトでも、要注意エリアとして紹介されていた。同ページによれば、2011年11月(1カ月間)の窃盗事件発生件数はなんと242件。つまり、1日あたり7.8件! しかも、それはサンフランシスコ市全体ではなく、ユニオンスクエア周辺(泊まったホテルのそば)という、きわめて限られた地域だけの数字なのだ。
【左】サンフランシスコ国際空港でタクシーに乗り込んだときには、すでに午後10時を回っていた。【右】特に犯罪発生率が高いという3つのエリア。我々のホテルの場所、まさにドンピシャです(外務省:サンフランシスコの「安全の手引き」より引用) |
宿泊したホテル名で検索して引っかかる宿泊者のコメントも、かなり痺れる。「観光には便利な場所だが、夜は怖い」「浮浪者が24時間ウロウロしている」「女性の一人旅には向かない」「ホテルを出て、絶対に右に行ってはいけない」などなど……。
なお、私はホテル1階のロビーでトイレを借りたら、フロントで写真のような鍵を渡された。トイレは地下にあり、施錠されたドアをこの鍵で開けて中に入るのだ。おそらく、不審者がトイレの中に潜むのを防ぐためだろう。海外では公共のトイレが防犯上施錠されていることがあると聞いたことはあったが、まさかホテルでそれを体験するとは思わなかった。