10日間で世界を回るという強行軍も、何だかんだで最終回。我々はついに最終ポイント、サンフランシスコにやって来た。今回は、珍しく2泊3日のスケジュール。最後の最後に余裕のある行動ができそうだと高を括っていた我々だったが、そうは問屋が卸さない。1日目は深夜の到着だったため何もできず、2日目はBASELWORLD取材の先出し原稿の執筆で終わった。そして3日目。取材のチャンスは今日1日だけしかない。そして夜には、再び空港へと向かうのだ(こんなのばっか)。

GPS&スマホ連携の時計を持って世界一周! オジサン二人珍道中!

■第1回【出発編】:「現地で」「何か面白いこと」「ついでに」
■第2回【ヘルシンキ編】: トイレに驚愕! & ムーミン公式ショップを探せ
■第3回【ドイツ・スイス編】: BASELWORLD美女カタログ! スーパーカーもあるよ
■第4回【ロンドン編】: 恋の街ロンドンで出会った見知らぬ彼女、本当にありがとう!
■第5回【ニューヨーク編】: 救いの女神、ステーキ、ゴーストバスターズ
■最終回【サンフランシスコ編】: そして帰還……

ニューヨークからサンフランシスコ、北米大陸を東から西へ横断。フライト時間は約6時間45分。直線距離にすると、だいたい東京~大阪を5往復半

またもやデンジャラスエリアのホテル

我々は、サンフランシスコでは一度も夕飯を食べなかった。なぜかというと、ホテル周辺を夜に出歩く勇気がなかったからである。ビビりが過ぎる、といわれば返す言葉もないが、事実、夜間はサイレンの音が絶えず、外務省のサイトでも、要注意エリアとして紹介されていた。同ページによれば、2011年11月(1カ月間)の窃盗事件発生件数はなんと242件。つまり、1日あたり7.8件! しかも、それはサンフランシスコ市全体ではなく、ユニオンスクエア周辺(泊まったホテルのそば)という、きわめて限られた地域だけの数字なのだ。

【左】サンフランシスコ国際空港でタクシーに乗り込んだときには、すでに午後10時を回っていた。【右】特に犯罪発生率が高いという3つのエリア。我々のホテルの場所、まさにドンピシャです(外務省:サンフランシスコの「安全の手引き」より引用)

宿泊したホテル名で検索して引っかかる宿泊者のコメントも、かなり痺れる。「観光には便利な場所だが、夜は怖い」「浮浪者が24時間ウロウロしている」「女性の一人旅には向かない」「ホテルを出て、絶対に右に行ってはいけない」などなど……。

ホテルの窓から。海が近いのでカモメが飛んでくる

なお、私はホテル1階のロビーでトイレを借りたら、フロントで写真のような鍵を渡された。トイレは地下にあり、施錠されたドアをこの鍵で開けて中に入るのだ。おそらく、不審者がトイレの中に潜むのを防ぐためだろう。海外では公共のトイレが防犯上施錠されていることがあると聞いたことはあったが、まさかホテルでそれを体験するとは思わなかった。

フロントで渡されたトイレの鍵。後ろのタイマーは、電気の消し忘れを防止する節電タイマー