OSダウンロードのサイズを削減

最新のiPhoneには最新のOSがインストールされるため、はじめから最新の機能をフル活用することができる。また、以前に購入したiPhoneにも、最新OSを導入できることが多い。実際、2015年秋に登場する予定のiOS 9は、2011年に発売されたiPhone 4Sもサポートする。

ところが、OSを丸ごとインストールする際には、巨大なサイズのダウンロードを行い、それを一時的にiPhoneに保存しておかなければならない。iOS 8をインストールしようとすると、前述の通り4.58GBが必要となり、小さな容量のiPhoneを上手くやりくり使っているユーザーにとってはアップデートを控える原因にもなり得る。

冒頭の訴訟の問題、筆者も経験したアップデートへの障壁を取り除くため、AppleはiOS 9のインストールにかかるダウンロードサイズを、1.3GBにまで小さくした。Apple公式サイトのiOS 9の説明ページによると、ダウンロードしたアップデートを解凍しなくて良くなったため、アップデートのために必要な空き容量を減少させることができたとしている。 セキュリティの強化の役割もあるOSのアップデートをすべてのユーザーが利用できるようにするため、アップデートに不足している空き容量を自動的に確保する仕組みも備えている、と伝えられた。その方法は、アプリを一度消し、アップデートを適用後、自動的に再インストールする仕組みである。

iOS 9では、OSのアップデートのサイズを1/3以下に減らし、また空き容量を無理やり増やす仕組みを備えることで、アップデートをしやすくする工夫を施している。機能面以上に、セキュリティ対策のアップデートの素早い普及が重要になる