ちょうど2014年末から2015年に変わるタイミングで話題になったのは、Appleが集団訴訟に直面していたことだった。その理由は、「16GBモデルのiPhoneできちんと16GBを利用することができない」というものだった。そもそも16GBモデルが一般消費者向けのモデルとして的確か、という問題も含めて、ストレージの視点でiOS 9の対策を考えてみよう。
筆者の16GB iPhoneによるストレージ節約生活の経験と破綻
16GBモデルのiPhoneはこれまで、その2割ほどにあたる3GBのストレージをOSに割く必要があった。その上で、アプリ、写真、音楽、ビデオなど、iPhoneの体験を楽しむために保存するデータを積み重ねていくことになる。
筆者はiPhone 5sまでは、毎年16GBモデルを選んで利用していた。そのため、慎重なストレージ管理を行うようにしてきた。アプリも普段使うもののみを厳選し、ゲームは一時的にプレーしたとしても、やらなくなればすぐに消す。最近ではグラフィックスの進化によって、ゲームアプリの容量も大きくなる傾向にあり、やはり容量不足を招く原因となるからだ。
また、写真やビデオは、MacやGoogleフォトにバックアップを取り次第削除していたし、音楽もiTunes Match(現在のiCloudミュージックライブラリ)を利用して、プレイリストを含めてストリーミングで楽しんでいた。ニュースやソーシャル系アプリ、写真・ビデオ編集のアプリは、キャッシュを大量に抱え込む。そのためキャッシュ削除機能がないアプリは一度削除して再びインストールして対応する必要があった。
こうして、なんとか1GB弱の空き容量を保ちながら暮らしてきた。しかし、問題が生じたのはOSのアップデートのタイミングだった。
アップデートには4.58GBが必要だといわれ、追加で3.5GB以上の容量を空けなければならなくなってしまったのだ。この瞬間、16GBのiPhone生活は筆者にとっては無理だと判断し、2番目に多い容量である64GBのモデルのiPhone 6 Plusを選択することにした。
ストレージは、あればあるだけ使えるというのもまた事実で、現在のiPhone 6 Plusの空き容量は16GBほどである。本体にため込んでいるデータは3倍で、主に削除するのをやめた写真とビデオのデータで占められている。