ASUSオリジナル設計が行われている基板とクーラー
STRIX-GTX980Tiの基板は、性能と耐久性を向上させたASUSのオリジナル設計となる。特に電源周りには力が入れられており、14フェーズもの回路を搭載する。
さらに、鳴きを抑えたチョークコイルや対応電圧を30%拡大したMOSFET、2.5倍の耐用年数を誇る高耐久コンデンサ、オーバークロック時の安定性を向上させるコンデンサなど、独自のカスタム部品が使用されている。これらをASUSでは「Super Alloy Power II」と呼んでおり、「Super Alloy Power II」を採用することで、従来の設計よりも発熱を50%ほど抑えることに成功しているという。
GeForce GTX 980 TiのGM200コアを中央に確認できる。グラフィックスメモリチップはSKHynix製 |
「Super Alloy Power II」によって構成される、14フェーズの電源回路 |
DirectCU IIIクーラーは、ヒートパイプは極太の10mm×2本と8mm×2本に加え、6mm×1本を組み合わせた構成で、GPUや電源回路の熱を一気にフィンへと移すという。GPUコアの接触面に、ヒートパイプがコアに直接接触するダイレクトタッチタイプを採用し、一般的な台座経由のクーラーよりも効率の良い熱移動を実現している。
また、STRIXシリーズではおなじみともいえる「ゼロノイズファン」の搭載にも注目したい。「ゼロノイズファン」は、GPUの温度が66度未満の場合に、ファンの動作を完全に停止させる。これにより、負荷が低い2DゲームやWebブラウジング用途ではほぼファンレス状態で駆動させることができる。
なお、専用ユーティリティソフト「GPU Tweak II」を使用すれば、常時回転モードに変更することも可能だ。このDirectCU IIIクーラーによって、STRIX-GTX980Tiはリファレンスに比べ高負荷時の冷却性能は最高30%、静音性は最高3倍静かになっているという。
ちなみにSTRIX-GTX980Tiの基板は、人の手を介さない完全オートメーション製造によって生産されているという。ASUSではこれを「AUTO-EXTREME技術」と呼んでおり、クオリティにバラツキのない製造、加熱工程を減らすことでの製造時の部品劣化減少、ハンダ用フラックス無使用による耐久性向上など、さまざまなメリットを得ることに成功しているそうだ。
グラフィックスカードでの実現は世界初とのことで、STRIX-GTX980Tiは記念すべき「AUTO-EXTREME技術」初採用モデルとなる。このオートメーション製造技術を実感したい場合は、基板裏面を触ってみよう。部品の表面実装化によって基板裏面がスベスベになっていることが確認できるはずだ。