Apple Musicは、9.99ドル/月のサブスクリプション型音楽ストリーミングサービス。6月30日に100以上の国でスタート、日本でも「まもなく登場」とされており、そう遠くない時期のサービスインが見込まれる。6月30日に間に合うかは微妙だが、日本での導入時期がはっきりしないまま米国から2年半遅れてのスタートとなった「iTunes Match」のようなことはなさそうだ。

キャッチコピーが「音楽の楽しみ方のすべてを一つに」であるように、Apple Musicにはこれまで提供してきた音楽関連サービスを1本化する狙いがある。iTunesに蓄えたユーザ自身のサウンドライブラリと、ストリーミングサービスの両方をシームレスに楽しめるところがポイントだ。

このストリーミングサービスは、ユーザ自身のサウンドライブラリとiTunes Storeで扱う楽曲が対象。月々9.99ドルを支払えば、3,000万曲以上という膨大な数の楽曲が聴き放題になるのだ。Spotifyなど聴き放題の定額サービスは珍しくないが、CDから取り込んだユーザ自身のサウンドライブラリとは分けて管理されるため、1つのプレイリストにまとめるような使い方はできない。音源が一元化されるApple Musicであれば、それが可能になる。

正直に言うと、Apple Musicの"定額で聴き放題のストリーミング"というサービスそのものは新味に乏しい。3,000万曲超という楽曲数も、広告付きながら無償利用できるSpotifyや、3月で国内市場から撤退したSONYのMusic Unlimitedと大きな開きはない。しかし、それでもApple Musicには「共感」、「期待」を感じてしまう。その理由は……順を追って説明していこう。

WWDC 2015の基調講演終盤、定番フレーズのOne more thingに続いて発表された「Apple Music」