iPhoneはどうなる?

スマートフォンによる生体認証というと、思いつくのはiPhone 5s以降がサポートする指紋認証技術「Touch ID」の存在だ。アップルはFIDO Allianceに参加していないが、Touch IDにおける生体データの保管方法などは、実はFIDOとそれほど大きな違いはない。

Touch ID搭載機器は、現在のところiPhone 5s/6/6 Plus、iPad Air 2、iPad mini 3の5モデル。今後も搭載端末は増えると予想される

質疑応答では、Touch IDについては「他社の製品なのでコメントしない」とすげなくかわされてしまったが、ドコモとしても看板商品のひとつであるiPhoneを無視するわけにはいかないはず。とはいえ、こればかりはドコモやFIDO Allianceの思惑でどうこうできる問題ではない。

Touch ID自体は今の所、あくまで端末のロック解除、およびiOS上のごく一部の認証/決済にのみ利用できる形であり、サードパーティにはほとんど解放されていない。このため、iPhoneユーザーはせっかくドコモのネットワークサービスが利便性を高めても、当分その恩恵には預かれない。

とはいえ、段階的にサードパーティに機能を公開してくる最近のアップルの傾向を鑑みるに、将来のiOSでTouch IDをFIDOに準拠させてきたり、そうではなくともウェブサービスなどに転用できるよう、Touch IDへのアクセスを解禁することは十分考えられる。そうなれば、ドコモもアプリをTouch ID対応させることでFIDOと同様に利用できるような環境を作ってくることになるだろう。ユーザーの利便性を高める意味でも、そういった方向で調整が進むことを期待したい。

(記事提供: AndroWire編集部)