屋内での位置測位に関する二つの展示

主に屋内の位置測位に関しては、二つの展示が行われていた。一つは富士通が開発したユビキタスウェアコアモジュールで、最小限のセンサーとマイコン、通信用BLE(Bluetooth LowEnagy)を一体化している。屋内にBluetoothビーコンを設置しておくと、ビーコンの絶対位置と自律測位の組み合わせによって、屋内でも1m程度の精度で位置判断できるそうだ。会場では展示のほか、入り口でバッジを貸し出しており、実際に体験できた。

【左】老人やペットの見守り、社内での社員位置把握、商店での顧客立ち寄りの調査用として、ユビキタスウェアを開発。コアモジュールには最低限の機能が入っており、追加のセンサー類を加えるカスタム作成にも対応するという。【右】コアモジュールとミドルウェアが同時に提供される製品群。屋外ではGPSを使って測位し、GPSが使えない屋内では、Bluetoothビーコンとモジュール内のGセンサーなどを使った移動経路推定技術を組み合わせている

社内スタッフの位置把握を想定したロケーションバッジ。展示会場の全体で体感できるように、バッジの貸し出しも行っていた

また、ユビキタスウェアコアに他のセンサー類を付けることによって、もっと多くの情報を得られる。例えば、バイタルセンシングパッドを作業員が身に付ければ、作業者の安全確認が可能だ。こちらは年末にもミドルウェアやコアモジュール、いくつかのデバイスが出荷される予定となっている。

より精度が必要なケースに関しては、超音波を使ったシステム展示されていた。2.5mごとに発信器を取り付けておくことで、スマートフォンを使って約20cmの精度で測位が行える。デモは物流倉庫での利用を想定し、必要な部材を倉庫内から調達するため一番効率の良いスタッフに指示を出すという内容であった。

【左】こちらは超音波を使ったもので、より精度の高い位置測定が可能。説明員がアプリケーションを入れたスマートフォンを持っており、位置が表示されている。パネルの左に見えるのは、先のユビキタスウェアデモのために設置されているBluetoothビーコン発信器。【右】超音波方式は移動経路推定を行っておらず、超音波を発信する機器を2.5m間隔で設置する必要があるという。会場では説明エリアに8台の機器が取り付けられていた