ZEROはRingからどこが進化したのか

一連のデモを終えると、吉田氏は今回のRingがどう進化したのかを話はじめた。

「今回のRing ZEROではジェスチャー精度がかなり上がって、簡単にジェスチャーが伝わるようになりました。あと、電波もよくなったので、ポケットやカバンに入れたiPhoneを操作することもできます」

と言って、実際にヒップポケットにiPhoneを入れて、音楽再生をして見せてくれた。電車に乗っているときに、iPhoneをカバンに入れたまま音楽試聴ができて、便利そうだ。

新ジェスチャエンジンはマエストロエンジンと呼ばれる

ちなみに、Ring ZEROの発売時点ではiOSのみの対応だが、今後、Androidにも対応するという。

ここで、「電波がよくなったのはどういう理由か?」と気になることを質問してみた。

「それには2つの理由があって、1つは素材をプラスティックに変えて、電波が飛ばしやすくなったということ。金属ボディではどうしても、電波が遮断されて飛ばしにくいんですね。もう1つの理由は、Bluetooth通信のスタビリティがあがったことです。今まではBluetooth通信がブチブチ途切れていたのが、Ring ZEROでは一度、接続すると、切断されにくくなっています。これは接続性をプログラミング的に改善したことで実現しました。この2つの理由が大きいです」

続けて、吉田氏はRing ZEROの進化の重要な部分である「ジェスチャーの解析」についてもレクチャーしてくれた。

「ジェスチャーの認識自体も改善され、簡単にジェスチャーが伝わるようになっています。ジェスチャーの処理には2つのパートがあって、1つは解析する“脳”。こういう動きだというデータを受け取って、どういうジェスチャーなのか認識する部分。もう1つは認識する前の実際の動きのデータです。この認識する前のデータがキレイなものでないと、脳が優れていても認識できないわけです」

つまり、Ring ZEROは、実際の動きを認識することに長けているそうで、

「たとえばハートを描くと、実際の動きは真っ直ぐな線ではなくギザギザなものが送られてくるんですが、それをRing ZEROのなかでスムーズなデータに変換するわけです。そのために多くの人のデータを取りました。人によって様々なクセがありますから。そうしてできたキレイなデータを、脳に送るので的確に処理ができるというわけです」

とのことだ。

バッテリ駆動時間についても聞いてみたが、Ring ZEROには「エコモード」と「アクティブモード」の2つの動作モードがあり、エコモードでは3日間バッテリが持続し、常時アクティブでは12時間ぐらいだという。ゲームをプレイする場合などにはレスポンスの関係でアクティブモードでプレイするとして、12時間ぐらいしか連続プレイできないことになる。まあ、12時間プレイし続けるような人もあまりいないと思うが。

Ring ZEROを充電器にセットして充電しているところ