書き心地はプロの絵描きも満足できるレベル!?
最後に、電磁誘導方式を採用したデジタイザーペンの使用感について紹介したい。前述の通り、ディスプレイには書き心地をよくするための特殊フィルムが貼られており、紙のような適度な抵抗感を実現している。
ペンを画面にこすった感覚は、例えるなら軟らかめの芯を入れたシャーペンに近いだろうか。かすかにシュシュ、キュキュッという音がする。ツルツルしているディスプレイとスタイラスペンに比べると遙かにストレスが少ない。
画面には、ペン先に合わせて白いポインタが表示されるのだが、このズレが少ないのも特長。その数値は0.6mm(ペンを50度傾けた時)で、常に手前に表示されるのだが、これによりスタイラスペンの初心者でもコツがつかめる。ペン先と多少でもズレがあると書きにくいと思われるかもしれないが、意外とそうはならない。最初はポインタを見ながら書いていても、慣れるとペン先を意識せずとも思ったような線が書けるようになる。
人間、普通のペンを使っているときに、ペン先を凝視して使ってはいない。逆に、ペン先を意識させてしまう筆記具はダメ。タブレット用のスタイラスペンはその程度のものが多いのも事実だ。さらに、ペンをすばやく動かしても、線が途切れることなく追随してくる。
ペンの出来がよく分かるのは、極細の線で文字や絵を書いた時だ。実際に、マイナビニュースのキャラクター「マイナビベア」のイラストを描いてみたところ、0.2mmぐらいの細さの線で緻密なイラストも描ける。極細のサインペンを使っているのと同じ感覚だ。小さな点をポチポチと打ち続けても取りこぼしがない(水木しげる氏の妖怪イラストのアシスタントもできると思ったほどだ・笑)。
自称イラストレーターとして落書きをば。絵の出来は、高級な筆を使ったからといって字が上手くなるわけではないのと同様だとお考えいただければ……。ただ一般的なスタイラスペンにくらべて、はるかに描く(書く)ことが楽しくなることは事実だ |
もちろん、ペンの出来は文字を書く上でも重要。手書きでメモを取るのが楽しく、ストレスレスにおこなえる。筆圧応答も2,048段階と細かく、筆ペンのようにハネもきれいに表現できる。
1点気になる点を挙げるなら、付属のペンは全体がプラスチック製で、汗などで滑りやすい。これは惜しい、もったいない。せめて指先の触れる部分はワコムの別の製品に採用されているようなラバー素材を採用してほしかった。オプションで質感の高いペンが用意されていると選択肢が広がるだろう。
製品名 | dynabook R82/PGP |
---|---|
CPU | Intel Core M-5Y31(900MHz) |
メモリ | 4GB |
グラフィックス | Intel HD Graphics 5300 |
ストレージ | 約256GB SATA SSD |
光学ドライブ | ― |
ディスプレイ | 12.5型ワイド(1,920×1,080ドット) |
ネットワーク | 10BASE-T/100BASE-TX/1000BASE-T対応有線LAN×1、Bluetooth 4.0、IEEE802.11a/b/g/n/ac対応無線LAN |
インタフェース | USB 3.0×2、ミニD-Sub×1、HDMI×1(いずれもキーボードドック接続時)、microUSB、microHDMI(いずれも本体のみ)など |
メモリースロット | microSDカードスロット(本体のみ) |
サイズ/重量 | W309×D215.2×H21mm/約1.43kg(キーボードドック接続時)・W309×D199.9×H8.8mmと約730g(タブレットのみ) |
OS | Windows 8.1 Update 64bit |
店頭予想価格(税別) | 180,000円台半ば |