実売想定価格が12万円前後で、キャリア経由の販売のように値引きがないため、この辺りがどう判断されるか、というのが難しい。今回は2,000台限定という慎重な販売方法だが、パナソニック自身はテストマーケティングと位置づけているようなので、CM1の販売状況によっては、今後さらに「カメラにLTE通信機能を内蔵させる」といった製品が開発される可能性はありそうだ。

世界でもスマートフォン事業とデジタルカメラ事業を1社内で抱える企業は少なく、それでいてお互いにそれほど協力関係にあるような事業ではないため、ここまでスマートフォンとデジカメを融合させる製品はなかった。

パナソニックは、事業縮小によってスマートフォン開発部隊が「背水の陣」(パナソニック)で取り組んだため、デジカメとの融合がここまで実現できた、といっても良さそう。「スマートフォンとしては分厚い」と言ってもいいCM1のような製品は、「スマートフォンは薄くする」ことを重視するメーカーには開発が難しい、という声も聞く。

CM1は皮肉なことにパナソニックがキャリア向け事業を休止したことから生まれた製品という表現もできるだろうが、だからこそ、「自由に開発できた」製品といってもいいかもしれない。CM1によって、「あらゆる機器に携帯通信機能を組み込む」というパナソニックの製品戦略も見えてくる。カメラやスマートフォンに限らない、今後のパナソニックの製品にも期待したい、そう思わせる製品だ。