SIMフリーゆえに自由な製品

CM1のもう1つの特徴は、「SIMフリー」という点だ。MVNOが広がりはじめ、SIMフリーも一般化してきたが、国内大手メーカーがSIMフリーで国内携帯事業者を経由しないで発売する時点で目新しいが、これを「カメラ」として考えると当然といえば当然だろう。

「カメラ機能を強化した携帯電話」は、これまでも例えばNTTドコモが発売したり、パナソニック自身も「LUMIX」ブランドを冠したフィーチャーフォンやスマートフォンを発売してきた。

ただ、キャリアにとってスマートフォンは、あくまで通信やコンテンツなどのキャリアサービスを使ってもらうための入れ物に過ぎず、メーカー側にハンドリングの余地は少ない。売れないと判断されて次期モデルが出せなかったり、そもそもキャリアがCM1のような製品を望まなければ発売することすらできなかった。

逆にSIMフリーでキャリアを経由せずに販売する場合、販路やサポートなど、メーカーが責任を持たなければならない。しかも、CM1を便利に使うためには、MVNOなどのSIMをユーザーが自分で用意する必要があり、そうした作業に慣れていない人だと戸惑う可能性もある。SIMなしでも高級コンデジとして使えなくもないが、それであるならCM1を買う必要はほとんどない。パナソニックはこうしたサポートも引き受ける必要がある。

しかも、CM1を使い込むとGoogleドライブへのバックアップをはじめ、画像のアップロードを頻繁に行うため、月間のデータ量が少なかったり、アップロード速度が低速なキャリア(MNO)やMVNOの回線は厳しい。ぷららモバイルLTEの上下3Mbpsで無制限のようなプランは、(仕様上は)CM1の使い方に適したサービスだろう。

MVNOが人気になり始めている現在の国内環境ではさまざまなサービスが出てきており、CM1が受け入れられる余地はある。MVNO側もさまざまなスマートフォンで使えるようにサポートを強化しているし、パナソニックにはカメラ部門のサポートがあり、スマートフォンの経験もあるため、サポートは十分可能だろう。