付属ソフトウェアとしては、各種ユーティリティを呼び出す「HPプリンタアシスタント」のみと必要最小限の構成だ。他社製品のように印刷用ソフトは付属していない。ただし写真印刷を行なう「HP Photo Creations」が無料でダウンロードできるので、必要に応じて利用するといいだろう。
写真印刷を試してみたところ、4色インクとしては色合いが比較的鮮やかなのだが、全体的に暖色系が強くなり、細部のディテールがつぶれてしまう場面が見られた(印刷データやコントラストにもよるので一概にはいえない)。
次に、Officejet 5740の印刷速度計測結果を紹介しよう。タイミングによっては印刷準備やヘッドクリーニングが行なわれることもあるため、今回のテストでは紙送りから排紙が完了するまでの時間を計測している。実際の作業時間は今回の結果よりも長くなる可能性があることを、あらかじめご了承いただきたい。
■コピー機能(本体の機能を利用) | |
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A4普通紙カラーコピー | 16.65秒(標準品質) |
A4普通紙モノクロコピー | 6.15秒(ドラフト品質) |
■ダイレクト印刷(SDメモリーカード) | |
L判フォト用紙フチなし写真印刷 | 37.62秒(高品質) |
■アプリからの印刷 | |
L判フォト用紙フチなし写真印刷 | 23.33秒(標準品質) |
インクジェット用はがきフチなし印刷 | 16.01秒(標準品質) |
標準品質のA4カラーコピーは16.65秒と、それほど速いわけではない。もっとも低品質な「ドラフト」のモノクロコピーは、6.15秒とかなり優秀な結果が得られた。印刷品質を重視しない資料なら、モノクロのドラフト品質を選んだほうがよさそうだ。印刷コストは、A4カラー文書で1枚あたり約11円となっている。
写真印刷はやや遅めだ。本体の機能を使ったダイレクト印刷では印刷品質に「高品質」しか選べないため、37.62秒という結果になっている。そこでアプリの「HP ePrint」から標準品質に設定を変えてみたところ、23.32秒とまずまずのスピードだ。インクジェット用ハガキの印刷スピードも悪くない。
スキャン結果はそれほど鮮明ではないものの、文書のデジタル化には問題ないクオリティだ。ただし紙焼き写真をクリアにスキャンするという使い方には、少々厳しいかもしれない。
Officejet 5740は写真印刷よりも、PCから文書やチラシを印刷するのに向いている。FAX機能やADFも、日常業務で役立つはずだ。直販価格では18,800円、大手量販店だと16,000円前後とビジネス向けモデルとしてはかなり安いので、導入費用を抑えたいときの選択肢にピッタリだろう。SOHOや個人事業、自宅でちょっとした仕事をすることが多い人にも向いている。