iPhoneのOSがiOS 8になって、筆者が個人的に楽しみにしている機能が「iCloudフォトライブラリ」だ。iOS 8がダウンロード可能になった9月末にはまだ提供されていなかった。またiOS 8.1がリリースされた10月末以降も「ベータ版」として提供されている。今回はこの機能について紹介していこう。
iCloudフォトライブラリという解決
ストレージの容量の関係上、iPhoneに撮影した写真のすべてを保存できない場合がある。フラッシュストレージのMacもハードディスクの頃に比べてストレージの容量は少なくなってしまった。そうなると、外付けハードディスクや、iPhoneからでもアクセスできるクラウドストレージサービスを活用を検討することになる。
しかしながら、こちらも、毎月、あるいは3カ月に1度は、20GB以上のファイルを外付けハードディスクやオンラインストレージに転送して管理する手間がついてまわる。少しでもこまめに管理することを怠ると、より長い転送時間がかかることになる。
iCloudフォトライブラリは、もう少しすっきりと、こうした問題を解決してくれるかもしれない。今まで「フォトストリーム」はあったが、写真ライブラリそのものは、iPhoneはiPhone、iPadはiPad、MacはMacという形で別々に管理されてきた。これを、クラウド上の1カ所をマスター(原本)として管理しよう、というのがiCloudフォトライブラリの基本的な考え方だ。
iCloudフォトライブラリにより、iPhoneやiPadで撮影された写真やビデオは、Wi-Fi環境下で自動的にiCloudに転送される。同時にWi-Fi環境下にある、同じiCloudアカウントでログインしている他のデバイスにも転送される。つまり、元の写真やビデオファイルはiCloudに置かれ、そのコピーが各デバイスにも保存される、という仕組みだ。
iCloudフォトライブラリの特徴はほかにもある。Appleがプレゼンテーションで披露した通り、例えばiCloudフォトライブラリ内の写真をiPhoneでモノトーンに編集して保存すると、瞬時にiPad側にある同じ写真もモノトーンに編集される。クラウド上の同一のフォトライブラリを、各デバイスから閲覧・編集する、という仕組みが分かりやすい例といえる。
そのため、例えばiPhoneを買い替える際の写真の転送も簡単になる。これまでは、手元に保存されている写真を、一度MacやPCのiTunesを介してバックアップを取っておき、新しいiPhoneにこれを同期する、という手順を取ってきた。
iCloudフォトライブラリを使えば、iTunesを利用しなくても、iPhoneをセットアップする際にiCloudフォトライブラリをONにするだけで、今までの写真がすべて転送されてくる。