もっと役に立つHandoffはないのか

せっかくHandoffの最も簡単な例を挙げたものの、既に存在しているiCloudの機能の方が充実しているという結果をご紹介することになってしまったが、Handoffは2014年から始まった共有機能であり、クラウドを介さず、目の前のデバイスの間でシームレスに作業を引き継げる点で、クラウド経由よりも分かりやすく素早いというメリットがある。

そのメリットが存分に発揮されるのが、メールのHandoffだ。メールでは、作成中のメールをHandoffで引き継ぐことができる。例えばiPhoneで書き始めたメールをHandoffでMacに引き継いで完成させる、という連携は、実際に試してみて便利だった。

iPhoneでメールを編集中に、Mac側でHandoffを行ってメールの作成画面を開くと、短い通信の後、書き途中のメール作成画面がMacの画面に映し出される。クラウドの同期と異なり、今まさに入力中だったメールが完全にMacの画面に映される。そして、iPhone側のメール作成画面は消える。通信を通じて、iPhoneからMacへ、作成中のメールが移ってきたような感覚だ。

また、Pagesの場合、iCloud Driveに保存されているドキュメントについて、HandoffでiPhoneからMacへ、MacからiPhoneへと引き継ぐことができる。メール作成画面と異なるのは、Handoffを行っても、元のデバイスから文書が消える訳ではなく、iCloud Driveに保存されている状態で作業が引き継がれる。

今度はiMacからiPad Air 2へ、HandoffでPagesの文書作成を引き継いでみる。Pagesの場合は、iCloud Driveに文書が保存されていることが前提となる

iMacでPagesの編集をしている際、iPadの画面左下にPagesのアイコンが表れており、これを上にスワイプしてロック解除すると、HandoffでiPad上のPagesを開くことができる

iMacからPagesに、文書が引き継がれた。iCloud Driveを介しているため、iMacから同じ文書を開くこともできる