監督・水島精二×脚本・虚淵玄(ニトロプラス)のコンビによる完全オリジナル作品として話題を呼ぶ『楽園追放 -Expelled from Paradise-』の劇場上映が2014年11月15日より新宿バルト9ほかにてスタートする。
謎のハッキングに侵される、人類の安住の地・電脳世界ディーヴァ。フロンティアセッターと名乗るハッキングの主。はたしてハッキングの狙いは何か? 捜査官アンジェラは機動外骨格スーツ・アーハンを伴い、荒廃した地上へと舞い降り、地上での案内人となる調査員ディンゴとともに謎に迫る……。
全編フル3DCGで描かれたアクションシーンにも注目の本作。劇場での上映を前に、水島精二監督が語った作品の魅力を紹介しよう。
水島精二監督が語る『楽園追放 -Expelled from Paradise-』
――長いプロジェクトで製作された『楽園追放』ですが、最初に監督が関わったのはいつごろですか?
水島精二監督「僕が関わったのは3年位前ですね。虚淵(玄)君が書いた企画書はすでに存在していて、東映さんと虚淵君、ニトロプラスさんで進めていたプロットにOKが出て、ここから先は監督が決まらないと脚本に入れない、そんなタイミングで候補に挙がり、オファーをいただいた感じです」
――最初に話を聞いたときの印象はいかがでしたか?
水島監督「面白そうだと思いました。その時点では、3DCGで作品を作るということとライターが虚淵君だということをお聞きしたのですが、虚淵君とはそれ以前から面識があり、一緒に何かをやりたいねって話をしていたので、これはいいチャンスだと」
――虚淵さんと組めることが大きな理由になりましたか?
水島監督「あと、東映さんが持ってきてくれた3DCGのサンプルも大きかったですね。今、これくらいのことはできますよっていうサンプルで、まだ世の中には出ていないようなムービーをいくつか見せてもらったんですけど、自分が関わっている作品中で使われているものより、ちょっと進んだ表現があった。ここまでできるんだったら、映画一本作るのも面白いなと思いました」
――劇場作品の監督という点はいかがでしたか?
水島監督「自分は映画が大好きで、月に2、3本は必ず観に行きますし、DVDとかもいっぱい買うほうなので、映画の監督ができるのは本当に幸せなことです。僕はテレビ畑の人間ですから、テレビがヒットした先に映画があるという考え方で、幸せなことに何本か映画化にこぎつけたこともありますが、今回は最初から映画という話なので、すごく嬉しかったです。こういう話が自分に来ることもあるんだって思いました、率直に(笑)」
――劇場作品を作る場合とテレビ作品を作る場合では、どのような違いがありますか?
水島監督「単純にスケジュールの考え方や全体的にコントロールするボリュームが違いますね。映画はある意味一発勝負じゃないですか。テレビの一話分に相当する作業工程だけど、ボリュームは何倍もあって、制作時間も何倍もかかる。テレビのように次の話数で挽回とかいう感覚ではなく、やっぱり一発勝負なので、どんなフローを使えば、自分が一番望む形に持って行けるか、それがすごく難しいんですよ。ただ、それについても過去の経験があったおかげでさほど問題なくできたので、先に何本か作れていてよかったなと思いました」