囲み取材の様子

新商品・新サービス説明会の最後に、田中社長は記者団の囲み取材に応じた。VoLTEやWiMAXなど、通信サービスの拡張についてアピールした今回の記者説明会。ネットワークのキャパシティについて聞かれた田中社長は「ネットワークの拡張計画と、端末の進化がしっかりシンクロされているのが現状。WiMAX 2+は帯域を拡大して提供する。当面は大丈夫かな、というのが本音。ただ、お客さんのトラフィックは予想を超えるスピードで増えている。今後は700MHz、3.5GHzといった周波数帯も使って、通信ネットワークを増強していきたい」と回答した。

囲み取材に応じる田中社長

iPhone 6の販売は好調

iPhone 6の販売も好調だという。「量販店ベースだと、ソフトバンク版の売り上げが市場の4割のシェアを占めているようだが」との問いかけには、「ソフトバンクさんのiPhone利用者の数は、うちの利用者数の2倍強くらい。それを考慮すれば、一番うまくいっているのはauだと思う」と回答した。消費者にアピールできているポイントとして、ネットワークの強さ、au スマートバリューの2点を挙げた。

au版 iPhone 6は、旧料金を選べるのも特長のひとつ。新旧プランの契約者数の割合を聞かれると「旧プランを選ぶのは、通話をしない若い人が多い。データは使わない、音声をたくさん利用する人は新プランを選んでいる。選べる自由がauなので、どちらかのプランに1本化するといったことは考えていない」と回答した。

SIMロックとVoLTEについて

今回発表された2端末(isai VL、URBANO)もSIMロックされているとのこと。auの端末ではこれまで、通信方式に違いがあるためにSIMロックを解除しても他のキャリアが提供するSIMカードは利用できなかった。しかし音声通話がVoLTEに対応すれば、他のキャリアのSIMでも使えるようになる可能性がある。これについて質問がおよんだが、田中社長は「具体的には決まっていないので。もう少し時間がかかるのでは」と所感を述べるにとどまった。

現在、VoLTEを利用できるのはNTTドコモの対応端末の間、およびKDDI(au)の対応端末の間でのみ。キャリアをまたいでVoLTEを利用できるようになる時期については不明だ。これについて「キャリア間で話し合いの場はもたれているのか」との質問に田中社長は「まだこれからですよね。世界的に見ても。いずれは利用できるようになっていくのでは」と述べた。

現在、音声通話に使用されている3G回線が完全に停波する時期については、2020年頃と推定している。「最後まで残るのは、乗用車の中に入っている通信モジュール。M2M(機器間通信)に使用しています」と説明した。なおKDDI(au)の事業計画には、VoLTE対応のフィーチャーフォンの投入も含まれているという。

最後に年末商戦について意気込みを聞かれると「iPhone、iPadも発売された。VoLTEも発表した。現在の好調を維持して、がんばって勝ち抜きたい」と述べた。