女性の深層心理を調査、PC開発に活かす
もうひとつ、第2世代のFloral Kissでは、「コトづくり」に挑戦している点が見逃せない。これはFloral Kissで目指した、付加価値の追求のひとつと言い換えることができるだろう。
具体的には、「美容」、「旅行」、「ファッション」、「スキルアップ」という4つにフォーカスしたアプリサービスおよび、Floral Kissユーザーだけの特典提供である。「第1世代で提供したアプリはPC内で完結して利用するものだったのが、今回は女性のライフスタイルから、もっとPCを活用してもらえないかという観点から追求した」とする。
鬼澤氏をはじめとするプロジェクトチームは、女性の深層心理を知るために、ロジックツリーを模造紙上に作成。ここからPCがフォローできそうなことは何かを、約1カ月間に渡って模索したという。ロジックツリーでは、「きれいになりたい」の次に「内面的に」「外見的に」というように枝を別れさせ、その先にどんな解決策があるのかといったことを辿っていった。
「『幸せになりたい』ということから派生すると、『結婚したい』という単なる願望に辿り着いてしまったり(笑)、その結論が『婚活サービス?』と、『?』がついて終わってしまったり。そうした試行錯誤の結果、美容、旅行、ファッション、スキルアップという、20~30代女性の関心が高い要素に行きついた」とする。
そして、PCだからこそできるサービスに提案を集約した点も特徴だ。
いつでも美活ができる専用アプリ「BIKATSU life(ビカツ ライフ)」を例にあげると、一般的なエクササイズアプリが、トレーニングウェアを着てジムで撮影しているものが多いのに対して、同アプリでは家のなかで、かわいい部屋着を着ている女性が、ソファに座ってテレビを見ながら1、2分でできるエクササイズというように、シチュエーションを想定して作り込んだ。
「女性は自分が使っているイメージが想起しやすいものを選択する傾向が強い。Floral Kissは自宅で利用するという前提で、隙間時間の有効活用をキーワードに開発したもの。家のなかで手軽にできるエクササイズをまとめた。また、エクササイズアプリはスマホではあまり使われない。動画で複雑な動きも大画面でわかりやすく表示できるPCの方が適している」とする。このあたりも女性視点で開発されたアプリだといえよう。
さらに、アプリ内に、体重入力やひとこと日記という手軽な管理機能を用意しているが、本格的に管理したいという場合には、Officeのテンプレートを用意している。普段は使わないOfficeを使ってもらうための工夫でもある。そして、同アプリが、フィットネスクラブ「東急スポーツオアシス」監修の本格的なエクササイズを紹介している点も見逃せない。
旅行では、 昭文社発行の人気ガイドブック「ことりっぷ」とコラボレーションした「ことりっぷ for Floral Kiss」を搭載。「ことりっぷ」国内版53タイトルの試し読みができるほか、観光スポットやグルメ情報など、旅先の情報を見ることができるのが特徴だ。
「旅行計画はスマホでなく、PCという人が多い。しっかりと調べて情報をたくさん集めて、自分のプランに落とし込むという使い方に適したのが今回のアプリ。夏休みなどの大型連休の旅行プランではなく、日頃の疲れを癒したり、リフレッシュしたり、贅沢したりといった週末のちょっとした小旅行を計画してもらうためのコンテンツとしているのも特徴」だとする。
さらに、ファッションでは、ネットショッピングをより快適に、お気に入りのアイテムを可愛く管理できる専用アプリ「SCRAPBOOK(スクラップブック)」を搭載。ネットショッピング中に気になったアイテムの画像をURLと一緒にスクラップしたり、スクラップしたアイテムをFloral Kissオリジナルの素材で可愛くデコレーションすることもできる。