そして今回、Chrome OSが動作するChromebookの将来的なソフトウェアアップデートで、Androidアプリがそのまま動作する機能が紹介された。通常のAndroidデバイスではアプリはフルスクリーン動作となるが、Chromebook上ではウィンドウ枠が出現し、WindowsやOS Xを使っている感覚に近くなる。

一方で従来のChromebookではタッチパッドとキーボードによるマウスと文字入力が操作の主軸だったが、このChromebookの新バージョンではAndroidアプリが動作することからもわかるように、タッチ操作がその主役となっており、「ノートPC」よりも「タブレット」に近い製品となっている。ソフトウェアキーボードも用意され、Chromebookの将来形態は「タブレット」または「2 in 1タブレット」あたりが主役になるとみられる。

壇上のデモではEvernote、Vine、Flipboardの3種類のAndroidアプリがChromebook上で動作する様子が紹介されたが、すべてのAndroidアプリがそのまま動作するとは明言されていないため、「既存アプリに何らかの形で手を加える必要がある」あるいは「Androidを動作させるランタイムの機能が開発中で不完全」といった問題が現時点で存在すると予想される。

Androidアプリ(Evernote)をChromebookとAndroidタブレットで動作させたところ。Chromebookではウィンドウ枠が出現して、通常のフルスクリーン動作とは異なる見た目になる

KitKatの動作するデバイスで開発者モードを起動すると、動作させるJava仮想マシンを意図的に選択できるようになっている。同バージョンではDalvikがデフォルトだ

おそらくは既存のChrome OSにARTのJava仮想マシンを載せた形だとみられるが、この移植版ARTの完成度の問題なのか、あるいはアプリ開発者側の対応の問題なのかは、追ってGoogleや開発者側の報告を待つ必要がある。なお、現在のChromebookは価格優先のためか全体にスペックが低めとなっており、同世代のAndroidスマートフォンらと比較して非力に感じる場面が多いだろう。この状態でAndroidアプリをChromebook上で走らせることが何を意味するのかは容易に想像できるが、すべての鍵はARTの完成度しだい……といったところかもしれない。