最後に、モバイルプリンタの販売戦略について、エプソン販売 取締役の鈴村文徳氏が登壇し、ターゲットやプロモーションの予定、販売目標などについて説明した。
ターゲットの1つはビジネス・パーソナルだ。ノマドワーカーやライフハッカーと呼ばれる層が、アーリーアダプタになると想定。場所を選ばず仕事をするユーザーや、BYODに積極的なユーザーの間では、モバイルPCなどと一緒に持ち歩くニーズも高いと考える。
また、モバイル利用の業務・業種として、金融・保険、製薬・MR、外勤営業、警察・捜査員などを想定する。例えばMR(製薬営業)の場合、顧客との間を直行直帰するケースが多く、モバイルPCやタブレット、モバイルプロジェクタなどと並んで、モバイルプリンタの引きも強いという。
警察・捜査員の場合、現場で事情聴取する際に目撃者から調書にサインを取る必要があり、モバイルプリンタは必須の道具になっていると説明する。このほか、バックヤードにプリンタを置くスペースの取れない狭小小売店や、カウンター業務などで喜ばれそうだ。
プロモーションはWebと新聞を中心に行い、販売目標はモバイルプリンタ市場におけるシェア50%を目指す。市場規模は10万台とのことなので、単純に計算すると5万台の販売が目標ということになる。
今回の発表は、エプソンにとっては単にモバイルインクジェットプリンタに新規参入するというだけでなく、ビジネスプリンタとしての3本柱がそろい、隙のないラインアップが構築できたという意味を持つ。キヤノンや日本HPなど、ライバル企業を向こうに回し、いきなりシェアの半分を奪うと鼻息の荒い目標が掲げられるのも、それだけ手応えを感じている現れといえそうだ。