続いて、セイコーエプソン プリンター企画設計部 部長の五十嵐人志氏より、今回の新モデルについて詳細が語られた。五十嵐氏は開発コンセプトとして、目指したのは「真のモバイルプリンタ」であり、ビジネスインクジェットプリンタとしての基本性能を押さえながら、3つのポイントに重点を置いて開発したという。

セイコーエプソンの五十嵐人志氏

1つめはサイズ、デザイン、バッテリ内蔵など「モバイルへのこだわり」、2つめはWi-Fi/Wi-Fi Direct対応、Epson Connect対応、簡易ドライバといった「多彩な接続」、最後はメンテナンスボックス対応、1.44型カラー液晶パネル搭載などの「メンテナンス性」となる。

例えばモバイルへのこだわりは、サイズや重量など数値として分かりやすいところが目立つ。本体サイズはW309×D154×H61mmで、一般的な事務机の袖の引き出しに、無理なく入る大きさ。本体重量は約1.6kgで、ACアダプタ込みでも約1.9kg(いずれも消耗品含む)。2014年6月現在、国内4Aインクジェットプリンタとして最小最軽量という(エプソン調べ)。

本体だけを持って移動して印刷しやすいよう、小型バッテリを内蔵したのもこだわりポイントの1つ。満充電時でモノクロ約100枚、もしくはカラー50枚を印刷でき、充電はACアダプタのほかUSBポート経由でも行え、市販のUSBカーチャージャーやスマートフォン用USB電源アダプタも使用できる。

多彩な接続性については、IEEE802.11b/g/n準拠の無線LAN機能を内蔵したことにより、同社のEpson ConnectやEpson iPrintといったクラウドサービスを利用可能にした。メンテナンス性については、メンテナンスボックスを搭載することで、ユーザーによるインク廃液ボックスの交換が容易に可能なことなどを強調。さらに1.44型カラー液晶を搭載し、インク残量やバッテリ残量を確認したり、ネットワーク設定や画質調整、簡易ドライバのインストールなどをこの液晶画面上で確認しながら行えるという。

「モバイル」へのこだわり、多彩な接続、メンテナンス性の3つが開発コンセプト

インクカートリッジやキャリッジも、専用を用意して小型化に貢献

PX-105と比較して体積比約81%、設置面積比で約54%の小型化を実現した

バッテリ切れの際もACアダプタで5分間充電すれば、モノクロ約4枚、もしくはカラー約2枚が印刷可能

PCやタブレットなどからWi-Fiで直接印刷が可能。ケーブルを持ち歩かなくて済む

簡易ドライバを内蔵しており、出先のデバイスで急に印刷することになっても安心だ